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目眩く一時 ~刹那の情事~

第9章 優しさの中に芽生える嫉妬心




「しのぶさん、朝から手を煩わせてすみません…」

「いえいえ、みずきさんが謝る必要はありませんよ。煉獄さんにもいい加減、分かって頂かないと仕事に差し支えますから」

ニコニコしながら、目が笑っていない胡蝶

「…特にお薬の度に、私かみずきさんじゃないと飲まないという癖は本当にめんど…いえ、困りますからね」

めんどくさいって言いかけましたね、今と思いながらも気持ちは分かるのでツッコまない

「…すみません、朝の分は押し切られてしまいました。あのままでは拉致があかないと思い…」

「仕方ないですね…。では、とーっても苦い薬湯ご用意します。その方がよく効きますので~」

黒い笑顔を浮かべる胡蝶

『…ふふふ、トラウマにならない程度にしてあげて下さい』

「……そうやって、甘やかすから煉獄さんに押し切られてしまうんですよ?」

気をつけて下さいね、色々と言われ

よく分からなかったが

『…分かりました、すみません』

と返事すると

「私はこれから任務なのに。…何もないといいのですが」

と小さく呟く

『…しのぶさん、何か?』

「いえ、何も。…すみませんがこの後、任務が入ってますので後はアオイとみずきさんにお任せします」

『分かりました、アオイちゃんにも私から伝えておきますね』

「はい、よろしくお願いしますね~」


ーーー

朝の配膳を終えたアオイに会ったので先程の胡蝶の件を話すと

「分かりました、でしたら他の事は私達で回しますのでみずきさんには申し訳ありませんが炎柱様をお願いしたいです」

『…やっぱり、そうなるよね』

「すみません、効率を考えるとどうしても…」

アオイが至極、申し訳ないとシュンとするので

『アオイちゃんのせいじゃないから、大丈夫だよ』

慌ててフォローして、忙しいながらに打ち合わせをしてその場を後にした




朝餉の時間が終わる頃、薬湯を持って煉獄の待つ病室へ向かう

『失礼いたします、朝餉はお済みでしょうか?』

「うむ、些か量が足りないが大丈夫だ!」

『そうでしたか、それだけ食べれればすぐに回復しますね』

優しく微笑むみずき




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