第8章 記憶を取り戻した彼が望むのは ~曼珠沙華~
「…多分、僕は長く生きられない。………上弦と戦った時のあの感覚は、異常だったし」
少し腕に力を込める
「…みずき、愛してる。前にも言ったけど、僕が絶命するその時まで…君だけを想うのは変わらない。君も僕を想ってくれるだろうし、同じように考えるだろうけど。でも、僕に関係なく長く生きてほしい。…本当は一緒に、逝きたいけど……来世でも必ず、みずきを探し出すから」
そこでふと思い出す
まるで前に胡蝶さんに教えてもらった曼珠沙華の花言葉みたいだ
(思うはあなた一人)
(あきらめ)
(情熱)
(また会う日を楽しみに)
あの時は何で花言葉なんか…僕に関係ないのにな、って思ってたのに
今考えると逆に当てはまりすぎて、怖いな…
考え事をしていたら、しっかり身体が温まったのでみずきを抱えて湯を後にした
身体を軽く拭いて、襦袢を着せ
寝室に運ぶ
引いてあった布団にみずきを寝かせる
余程、疲れたのか終始動かないままだ
「まだ起きないの?…今、感情を抑える自信ないから長く生きさせる為に…子供、作っちゃうよ?」
するすると襦袢の合わせをゆっくりと開く
みずきが動かないのをいい事に
膝からつーっと指を上に滑らせ、茂みを掻き分け秘部に指を這わし、蜜口を割り開くとクチュクチュと音をたてながら弄り回す
僅かに身体は反応するも、動きはない
「…既成事実、作りたい。みずき、本当の意味で全部僕だけのものになって?」
指を中に差し入れ、抜き差しを繰り返す
段々、音が激しくなる
中がキュウキュウ締め付けてくる
「…本当は、起きてるでしょ?……いいの?止めないと僕の好きにされちゃうよ?」
すると静かに涙を流しながら、目を開く
『…だって…あんな事、言われたから…身体が…動かなく、なっちゃったんだもん…っ』
「…どこから、聞いてたの?」
『…長く、生きられないって聞こえて、気がついた…』
震えながら、泣き続ける
『…私はまた、置いて…いかれるの?』
涙目で無一郎を見詰める、その瞳には複雑な感情が露に出ていて
一見、虚ろなようなどこか睨まれているような何とも言いがたい悲しい瞳
「……誰よりも置いていきたくない。ずっと、一緒に生きたい」
『じゃあ、置いていかないでっ!私に選ばせてっ!』