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目眩く一時 ~刹那の情事~

第8章 記憶を取り戻した彼が望むのは ~曼珠沙華~




その日はそのまま寝てしまったみたいで気付いたら次の日の朝だった

傍らにみずきがいなくて、寂しい目覚めだった

手紙が置いてなければもっと気落ちしただろうけど

[無一郎へ これから任務に出ます。本当はずっと側にいたいけど…これが終わったらお館様が正式に非番を下さるので安静にして待っていて下さい。 みずき]

本当に僕の事、よく分かっててくれて嬉しい

ちゃんと静かにして待ってるから、早く戻ってきてね


しかし、みずきはその日は戻らなかった



僕と恋仲になってから、正式に継子になったみずきは霞の呼吸をあっという間に習得し練り上げた

階級はこの短期間で戊から甲まで上がった

やっぱり、僕の見立ては正しかった

せっかく筋はいいのに、ちょっと勘が悪いから戊で止まってたんだろうな…

まぁ、そんな所も目が離せなかった理由だろうけど

はぁ…みずきに会いたいな


熱は少し下がったから、だいぶ楽にはなったのになかなか寝付けなかったので

本当は軽く動きたかったが胡蝶さんに怒られそうだったから、大人しく横になっていた

が、みずきの事を考えていたら無一郎の下半身が反応してしまう

「………どうしようかな、これ」

抜くのは、動く事になる…のかな?

ほっといたけど全然収まりつかないから、抜かなきゃなんだけど…

厠に行った方が…いいのかな?

ぐるぐる考えるよりスパッと決めたい無一郎だが

理由が理由だけに考えあぐねる

「…ちょっとだけなら、大丈夫だよね?」

自分の男根に手を伸ばし、軽く扱くと

久々にしたせいか、まだ本調子じゃないせいか、すぐに息が上がる

「……はぁ…ん、みずき…」

いとおしい名前を呼びながら、扱く手を速めていく

「…ん…会いたい…みずき…」

そのあられもない姿を想像し、一気に昇り詰める

程なく、限界を迎え自分の手に大量の欲を吐き出した

出し切った後、枕元にあった懐紙で拭うが


確かにこれすると欲は一旦、引くけどさ…余計に会いたくなって虚しいじゃん

と頭の中で文句を言いながら、懐紙をくずかごに捨てる

漸く眠くなってきて、大きな欠伸をすると目を瞑り眠りについた



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