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目眩く一時 ~刹那の情事~

第1章 無口が放つ最高の殺し文句



義勇はひとしきり、指で傷をなぞった後


「…体が冷えたな、すまない」


と言って、また横抱きに抱えられ


風呂場に入った

石鹸と布を差し出され

受け取ろうとしたら手を離してくれず

視線を合わせると

「…俺が洗ってもいいか?」


とんでもない事を涼やかな顔で言う義勇に


『自分で!洗います、洗わせて下さい!』


と、石鹸と布をひったくり洗い場に逃げた


義勇は渋々、自分を洗い湯船に移動すると


念入りに体の隅々まで洗うみずきを凝視する


…姉以外の女の体を見るのも触れるのも初めてだ

こんなに美しいものなんだな、知らなかった


今までそういう事に興味が湧かず、遊郭にハマる隊士を見ては理解に苦しんでいた

そんな事をする暇があるなら鍛練すれば良いものを、と

しかし、自分も普通の男だったのだな

好いた女の

みずきの体や所作から目が離せない


そんな事を考えていると


『義勇さん、…あの失礼しますね?』


と言って、いつの間にか湯船に来て浸かるみずきと目が合う


「…あぁ、ゆっくり温まるといい」

平静を装う

『あの、あまり見られるのは…ちょっと』

「…そんなに見ていたか」

『はい、穴が開くかと…』

「そうか、すまない」

だが、と義勇が距離を詰めてくる

「好いた女を目の前に見ない、触れないは難しい」

言いながら、抱き竦める

「これでも、かなり我慢している。許せ。」

チュッと音を立て、耳に唇が這う

『あっ…ん、義勇さ…んっ』

遠慮がちに体をまさぐられ、一気に熱が上がる

『義勇さん、ダメ…あ、ぁん』


風呂場にみずきの艶めかしい声が響き


「…このままだと逆上せそうだ、出るぞ」

と、掻き抱くように運ばれ

脱衣場で深い口吸いをしながら、拭き布で体を大まかに拭かれる

いつの間にか、用意されてた襦袢も申し訳程度に着せられ

手を引かれ、義勇の寝室に連れていかれる

一連の動きの間、終始無言だったが


寝室の襖を閉めた後


その瞳に欲の色を宿して


「…みずき、抱きたい。出来る限り、優しくする。…いいか?」

義勇の色香が容赦なく襲う


思わず、下腹部がキュッとして

『……はい、初めてなので上手く出来るか』


不安ですと伝え切る前に口吸いをされる


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