第7章 無口な彼の譲れぬ主張 ~深い愛に溺れて~
早駆けしていたが体力の限界を迎え、近くの木の下に座る
もう少しで屋敷だが
呼吸を連続で使いすぎた
普通はもう少し加減するが今日は早く義勇の元へ帰りたかったから焦ってしまったようだ
乱れた呼吸を整えていると
向こうから会いたかった人の姿
「みずきの気配がしたから迎えに来たのだが…どうした、大丈夫か?」
心配そうに駆け寄ってくる義勇に
思わず、抱き付くと驚きながらも受け止めてくれた
「…何か、あったのか?」
『…はい、屋敷に帰ったら話します。今は早く帰りたい…です』
「…相分かった」
義勇はみずきを横抱きにすると
足早に屋敷に向かった
屋敷に着くや否や、みずきから義勇に激しく口付ける
流石にこれには面を食らい、義勇は目を見開くが
求められるのは嬉しいので黙って享受した
しばらく、そのまま舌を絡めたり吸ったりしているとみずきは息が続かなくなり唇を離すと
お互いの唾液で濡れたみずきの艶めかしい唇に一瞬釘付けになるが
「一体、何があった?…さっきからどうも、様子が変だ。煉獄に何か、されたのか?」
『…ん、義勇さんと恋仲になっても、諦める気はないって…その、抱き締められて…』
…おのれ、煉獄
みずきに触れただと?許さん
次にあったら粛清してやる、首を洗って待っているといい
心の中でそう考えてると
みずきが不安げに
『…簡単に諦めてくれなかったから、あの事も…拾壱ノ型の話も、しました。意思表示はちゃんとしたけど…ごめんなさい、怒って…る?』
「…あぁ、煉獄に対してな。恋仲の者がいる相手を口説く…ましてや触れる等、言語道断だ」
背中から黒い何かを出し、怒りを露にする義勇に
『…誰に口説かれても、私が好きなのは義勇さんだけですっ』
と、可愛く口を尖らせるみずきの姿に一気に毒気を抜かれる
「…知っている」
義勇の顔が綻ぶが煉獄が触れたの件を思い出し
「みずき、湯に入ろう。ついでに、消毒だ。念入りに、な…」
義勇の瞳が欲を宿した事に気付き
みずきはこれから起こるであろう情事を想像し、密かに身悶えた