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目眩く一時 ~刹那の情事~

第6章 吸血鬼に甘く奪われて…(炭治郎の場合)



手を優しく握られ、真剣な顔の炭治郎にみずきは

『嫌じゃ…ないよ。私も最初から気になってた。もっと、知りたい』

炭治郎君の事、と呟くように言うみずきに

「…旅籠に男女で行くんですよ?」

いいんですか?と問う炭治郎

『…意味くらい、分かるよ。一応、年上だからね。ただ…』

暗い顔になるみずき

『…香や化粧を落としたら、炭治郎君には全部わかっちゃうだろうから…正直、怖い』

何となく、何を言いたいか察した炭治郎

「…過去に何があったかなんて聞きません。俺は今のみずきさんが好きなんです。だから、全部隠さず見せてほしいです」

運命とか、好きとか、直球勝負やめてっ!と思いながらみずきは顔を背けると

「…俺を見て、みずき」

名前を呼び捨てにされ、口調は優しくも強引さを感じ炭治郎を見やる

「…嫌じゃないなら、連れて行きますね」

熱が混じる瞳がみずきを捕らえる

『…はい』

観念したように頷くと

手を引かれ、その場を後にした


ーーー


近くに開けた街があり、程なく旅籠を見つけ手続きをした

炭治郎が全てやってくれたので申し訳なく思うみずきに

「こういうのは男がやるものですよ」

と爽やかに言われてしまう

中に招かれ、旅籠に入ると温泉があるようで

「…俺も入りますからみずきさんもゆっくり入って下さい」

部屋に着くと荷物を置き、備え付けの浴衣を持つと足早に部屋を出ようとする炭治郎に湯上がりにこれぬって!と血鬼止めを渡すみずきに

「みずきさんも顔、怪我してるのにいいんですか?」

『私の分はあるから大丈夫だよ』

そんな会話が終わると今度こそ炭治郎が部屋を後にした




どうしよう、急に恥ずかしくなってきた


あんな真剣な顔されたらドキドキしちゃうよ…


炭治郎君は真面目な子だから、きっと

血を吸いたいだけじゃ、ないよね?

身体だけでもない、よね?




…いや、あれこれ考えても仕方ない、とりあえず温泉入ろう


浴衣を持つとみずきも部屋を後にした



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