第4章 吸血鬼に甘く奪われて…(義勇の場合)
『……ん…?』
みずきが薄く目を開ける
「…気がついたか?」
心配そうに覗き込む義勇に
『…ふふ、そんなに心配しなくても大丈夫ですよ』
みずきに逆に宥められてしまった
「…初めてだったのに手荒にしてすまなかった」
『…途中からよく分からなかったので大丈夫です』
それは大丈夫とは、言わない
と思いながら見ると
『…義勇さんみたいな素敵な殿方に運命って言われて 嬉しかったです。今、幸せです』
痛かっただろうに健気にそう言い優しく微笑むみずきに
許しを請うように抱き締める義勇に
驚きながらも受け入れ、頭を撫でるみずき
「…する前にも言ったが責任は取る、後生大事にする。どちらかが死ぬまで俺とずっと一緒にいてほしい」
『…それは求婚、ですか?』
「……違う意味に聞こえるのか?」
『…恋仲になるのではなく、先に求婚ですか?』
「…する事はしたから………大して差はない」
え、差はかなりあると……
あ、これ、指摘しちゃいけないやつかな
義勇さん、ムスッとしてぷるぷるしてる
少し間が空き、言い直すと呟くと
「…順序は逆になってしまったが後生大事にする。俺と恋仲になってほしい。ゆくゆくは夫婦になって死ぬまで一緒にいたい」
真剣な眼差しに頬が朱に染まる
「…色好い返事が聞きたい」
みずきは一呼吸おき
『…はい、私で良ければ宜しくお願いします』
その柔らかな微笑みに釘付けになる
冷静になろうと
「…まずはお館様に報告だな」
違う事を考え始める
『…あの、私は義勇さんに出来るだけ合わせたいのですがどうしたら良いですか?』
「…出来ればすぐに俺の屋敷に一緒に住んでもらいたい。片時も無駄にしたくない」
熱い視線が注がれる
『…わ、かりました。なるべく早く支度をします』
「…あぁ、だが」
と言い、義勇が布団に入ってくる
「…今は無理するな、ゆっくり休むといい」
頭を優しく撫でられる
『ありがとうございます。実はさっきから眠気がすごくて…』
「分かっている、疲れているのだから当たり前だ」
義勇が横にいる為、布団の温かさが丁度良くなり瞼をゆっくり閉じる
「…お休み、みずき」
『…お休み、なさい…義勇さん』
二人は情交の疲れから程なくして深い眠りについた