第4章 吸血鬼に甘く奪われて…(義勇の場合)
みずきの目が義勇の獰猛な瞳を写す
『…あの、お恥ずかしながら、私、この歳までその、経験が無くて…』
どうしたらいいか分かりませんと伝えようとしたが
「…香りで分かっている。皆まで言うな。」
え、香りで分かるものなんですか?
やだ、恥ずかしい…
「…むしろ、俺が初めてで嬉しい」
少し照れたように呟く
『…そういうものですか?』
「そういうものだ」
言いながら、移動し何故か寝室の襖を開けられる
…教えてないのに何で分かったの?と義勇の顔を見ると
「…香りで分かると言ったはずだ」
そこまで分かるかは言ってませんっ
この人、やっぱり口下手だ!
最初から薄々感じていたものが確信に変わる
考え事をしてる間に布団に下ろされる
義勇が覆い被さり、至近距離で
「…今宵、お前を貰い受ける。責任は取る。安心して身を委ねろ」
不器用なりの精一杯の告白に
『…わかりました、義勇さん』
みずきは義勇を受け入れるように両手を広げる
どうぞ、と言わんばかりに
その仕草に義勇は機嫌を良くし
着物を脱がしながら、甘い口付けを至る所に施す
最初こそ、くすぐったかったそれも一糸纏わぬ姿になり際どい場所にされると身体をビクつかせる
甘い吐息と媚声を漏らしながら
身体を艶かしく、くねらせる姿に義勇は普段より数段目を見開き釘付けになる
もっと、乱したい
俺がお前の甘い血と柔肌に乱されたように訳が分からなくなるまで
口付けの嵐が収まりみずきが義勇を見ると
自分の服を脱ぎ捨てる様と表情
その刹那、あまりの妖艶さに息が止まる
義勇は殿方なのに情交を誘う花魁を思わせるような表情に
みずきは甘い目眩に襲われた
「どうかしたか?」
考え事をされてるのが気に入らないのか、少し不機嫌そうに見られる
『…あ、義勇さんがあまりに、色っぽい表情だったので、見惚れて、しまいました』
少し間が空き
「…色っぽいのはお前だ」
と両手で胸を鷲掴みにされ、ビクリとする
『…きゃあ、や、いきなり…』
「いきなりでは、ない。ずっと我慢していた」
伝わらないから、と思ったが激しく責められ言葉を紡げず
口から出るのは甘い媚声だけだった
胸の飾りを指と舌で責め立てられ、身体を捩らせ快感の波を逃がすようにすると