第3章 甘い匂いをもっと近くで
炭治郎は意を決して
「…みずきさんが、嫌じゃなければ入りますが、どうしますか?」
徐に頬を撫でられ
「入ったら、最後までしますよ?」
普段より数段、低くて甘い声で聞くと
『…私は最初から、いいよって言ってる』
と恥ずかしそうにそっぽを向かれてしまった
「…もう少し、違う言い方がいいです」
甘えるように首元にすり寄り
軽く唇が這う
『…ん、炭治郎君とちゃんと、恋仲になりたい。入ろ?』
赤い顔で必死に言葉を紡ぐと
「よく出来ました」
おでこにチュッとされ、手を引かれ中に誘われる
炭治郎が部屋を取り、支払いを済ませると
こっち、とまた手を引かれ階段を上り1番奥の部屋へ
「ここです、入って」
と襖の中へ
そこには準備された様々な物が布団の枕元にあり
いかにもな雰囲気に恥ずかしさが募る
色々と考えてると炭治郎が後ろから抱き竦める
「…緊張してますね、俺もです」
炭治郎が首筋にすり寄り、鼻をスンスンさせる
『…ん、やだ、嗅いじゃ…』
「ダメだ、嗅ぐから。今日は香油つけてますよね?…身体も心もこんなに甘くて良い匂いさせておいて…お預けするのか?」
甘えるようにスンスンされ
やぁ、とみずきは身を捩ると目の前の布団に崩れてしまう
それを合図に炭治郎が口吸いを施す
最初は優しかったそれもしている内に段々深いものに変わる
みずきの口端から漏れる媚声に炭治郎は夢中になる
『…はぁん、んっ、ふっ…』
着物の帯を解かれ、合わせを開かれ
着物を枕元に放る
襦袢もやや乱暴に脱がされ、下着も頭上に放られてしまう
口吸いはそのままに、身体中をまさぐられる
『あ、やぁ、炭治郎…も、脱いで…』
蕩けた顔で言われ
「…俺は後でいいから、みずきの身体、ゆっくり見せて?」
やんわり言うと熱い視線を注がれ
みずきは恥ずかしさに身を震わす
「…綺麗だ、肌を触ると吸い付いてくるし、すごく良い匂いがする…」
感触を楽しみながら、胸を触りその飾りを弄り回す
『…やぁ、あん、あっ、んっ』
「みずき、可愛い…」
炭治郎は欲が出て来て、もっと乱れさせたくなるが
はたと思い出し
先ほどの紙袋を手に取ると
「これつけて見せてくれ、みずき」
撫子色の紅を差し出す