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目眩く一時 ~刹那の情事~

第3章 甘い匂いをもっと近くで



言質をとると、嬉しそうに

「じゃあ、買ってきますね!」

と、会計に行ってしまった

みずきは少し恥ずかしくて、先にお店の外に出て待つ事にした

少しすると炭治郎が出てきて

「お待たせしました!これ、どうぞ」

と紙袋を渡される

『ありがとう、大切に使うね』

嬉しそうに微笑むみずきに

「良かったら、今からつけてくれますか?」

なんちゃって、と言うと

頬を染めるみずき

「あ、嘘です!冗談ですよ?俺、本当にみずきさんを大事にしたいですから」

と慌てる炭治郎に

『…私は今からつけても、いいよ?』

耳許で囁きながら、軽く口付けをする

「!」

ふわりと香る良い匂いとその行動に炭治郎はビックリして目を見開く

「…俺が冗談なんか言ったから悪いんですが…でも…あんまり煽ると本当に二人きりになれる場所に行っちゃいますよ?」

と抱き寄せられ、確認をとられた


『…炭治郎君と二人きりになりたい。炭治郎君は違う?………今まで誰とも交際した経験がないから分からないけど…こういうの、はしたないかな?』

色っぽい表情で上目遣いでそう聞くと

「…俺も、初めてなので分かりませんが今のみずきさんの表情を俺だけに、向けてもらえるのは嬉しいです」

人目も憚らず、やり取りしてると

「お前らは往来で何をしている?邪魔だ」

「もう、伊黒さんったら!邪魔しちゃダメよ~、熱々な抱擁、素敵だわっ」

伊黒さんと甘露寺さんに指摘され

「…す、す、す、すみませんでしたぁぁぁぁっ!」

と炭治郎がみずきの手を引っ張り走り去った

「…あいつらは何なんだ?まったく理解出来ん」

「私は全力で応援するわ!あのみずきさんが人目を気にもせず…なんて、きゃ~っ!(今度会ったら恋バナだわっ)」

甘味処に行く二人は話ながら人混みに消えていった



全速力で走り、いつの間にか街のはずれまで来ていた二人

『…はぁ、はぁ、さすがに恥ずかしかったね』

「…はぁ、そう、ですね。迂闊でした…」

お互い話ながら呼吸を整える

すると、目の前に遊廓に似た建物が見える

『…あ』

みずきはその建物が何か気付き、顔を朱に染める

炭治郎はみずきの匂いで気付く

あ、そう言う場所か

…何で今日はこんな事ばかりなんだ?

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