第3章 甘い匂いをもっと近くで
『……しのぶさん、いつから聞いてましたか?』
「おそらく最初…からかと」
今だにぷるぷるしながらこちらを見やるしのぶに
『………恥ずかしくて、死にそうです…!』
と、涙目になるみずきに
「…すみません。あまりにも衝撃的でつい…」
そう言うとしのぶが近寄り
「とりあえず、お湯使いますか?丁度、温まってますよ~」
『……使います』
そして、二人は蝶屋敷に入っていった
しばらくし、みずきは入浴が終わると忘れていた恐ろしい眠気に襲われる
色々、考えたいのにダメだ、眠い…
自分が使ってる部屋に入り、そのままベッドに倒れ規則正しい寝息をしだす
しのぶが部屋にそっと入る
「みずきさ~ん、寝ちゃいましたか?」
反応はない、すると
「…明日、竈門くんに操を捧げるかもしれないのにそのまま寝てしまうなんて、ダメですよ~?」
あなたは可愛いのですからと言いながら
しのぶが懐から香油とクリームを取り出す
「これは両方とも、私のお手製ですから効果は保証します。先ほど、笑ってしまったお詫びです」
眠るみずきの髪に香油をつける
「本当は寝る前につけたかったのですが、起きた後よりは今がいいので」
つけ終わると櫛で丁寧に髪を梳く
「うん、良い香りですね。竈門くん、喜びますよ~」
そして、クリームを手に取ると
「こちらはぬると肌が潤ってスベスベになる、全身に使える優れ物なんですよ。我ながら、とても良い物に仕上がりました」
私も使ってるんですよ~と言いながら襦袢から出てる部分にぬっていく
『……ん…』
みずきが僅かに反応する
「…こんなにあちこち触っても起きないのですか?」
しのぶが妖艶な笑みを浮かべる
「…竈門くんに盗られちゃうの、本当はすごーく嫌なんですからね?」
襦袢の合わせを開き、クリームを胸の飾りにぬりつけながら
「…このまま、私の物になりますか?」
『…しのぶさん、悪ふざけが過ぎます』
みずきの目が開き、しのぶを睨む
「…あらあら、起きてしまいましたか?」
『…起きるようにわざと気配出しましたよね?』
「何の事ですか?もう少し寝ててもらえれば夜這いできましたのに、残念です~」
『しのぶさんっ!』
「……盗られたくないのは本当ですから」