第12章 高貴な方の唯一無二の支え~スルタン~後編
今日は色々な事があり、珍しく疲れてしまった
…先ほどの義勇様の発言も加味して、私は分が悪いので早めに湯浴みをして眠らせてもらおう
そう考え、持ち前の身のこなしでさっさと湯浴みを済ませた
あ、そう言えば私の部屋は頂けないのかな?
前の部屋は早々と荷物を引き払われ、義勇様の部屋に私物を運び込まれてしまった
一応、妃なんだけど…
あの様子だと歓迎はされてないだろうから、王に頼んでも望みは薄そうだし…
『どうしたら、部屋をもらえるのかしら?』
「…俺と一緒は、そんなに不服か?」
いきなり後ろから声をかけられ、驚き振り向くと
義勇様が後ろ手に部屋の扉を閉めた所だった
…気配を消されてたとはいえ、まったく気付かなかった
ヤバい、油断し過ぎた
『義勇様、おかえりなさいませ。不服ではありません。妃には一室、与えられるはずだなと思っていたのです』
「…先程は杏寿郎に捕まり、説明が出来なかったが今回の件で杏寿郎がスルタンにはなるが国益に大いに貢献した事で俺に城が与えられる事になった」
『…城を、ですか?』
「あぁ、細かい事は割愛するが今まで誰も作る事が出来なかった交易路を俺が作る事に成功した。…あれがあれば、国が安泰になるばかりかますます発展していくだろう」
『前に護衛で付いていった富豪達との商談はそれだったのですね。素晴らしい事を成し遂げたのですね、流石です』
「…みずきを妃にする事、みずき以外の妃は娶らぬ事、城を1つ所有する事を飲ませた。だから、城が出来るまでは俺と一緒に過ごしてもらう」
『わ、分かりました』
義勇様の事だ、色々な面倒事は杏寿郎様に体よく押し付けたのだろう
だから、杏寿郎様は私に何か言いたがっていたのに義勇様が遮ったのかな?
「…ところで何故先に湯浴みを済ませている?」
『義勇様のお戻りの時間が分からなかったので…。何かまずかったでしょうか?』
何となく、理由は分かりながらもはぐらかし聞くと
「…覚えてないとは、言わせない。言ったはずだ、煽った事を後悔しないといいなと。……着飾った姿のみずきを抱くつもりでいたんだが?」
はっきり言葉にされ、ピクリと反応してしまう
『…そ、それは…お約束した訳では…っ』
「……そうか。俺は今、気疲れで甘えたい気分だったんだが気が変わった」