第12章 高貴な方の唯一無二の支え~スルタン~後編
最後に装飾品見る
どれも一級品だと分かる素晴らしい品々に感嘆のため息が出る
…エメラルドや翡翠も用意されていて、先ほどのやり取りを思い出し恥ずかしさが振り返すが
気を取り直し、眺めてると
純銀に青い宝石(サファイアは改めて贈ると言われたから似ているカイヤナイトだろう)があしらわれたネックレスと揃いのイヤリングに目が止まる
繊細な彫りが施された業物(わざもの)だ
いつも、美しく長い御髪を銀糸の紐で下に纏めている義勇様
……きっと、これを選ぶと分かっていらっしゃるんでしょ?
そう思いながらも素敵なネックレスとイヤリングの誘惑に負け、手を伸ばす
間近で見ると、本当に吸い込まれてしまうほど素敵だ
義勇様にそっくり…
高価な品に恐る恐るも身に付けると
改めて気持ちが引き締まった
『大丈夫、私は義勇様を信じます』
鏡の中の自分に言うと
寝室から出ようと扉に向かうと
先に外側から扉が開く
「どうだ?着替え終わったか…」
義勇様が私を見て、目を見開く
主に私の顔を、見詰めてくる
「……驚いたな。想像以上に、綺麗だ」
『お褒めに与り光栄です、義勇様』
ニコリと笑うみずき
してやったり!と心で勝ち誇っていたら
「今は流石に無理だが、あとで二人きりになったら覚悟するといい。……故意に俺を煽った事、後悔しないといいがな」
しまった、やぶ蛇だ
義勇様の余裕を無くしたかっただけなのに…
赤面しながら黙る私を尻目に義勇様は楽しそうに寝室から出ると
まるで計ったように王直属の紋章をつけた年配の侍女長が来る
「失礼致します。第2王子、王が謁見の間にてお待ちです。…そちらの方も連れて至急、おいで下さいませ」
チラリと値踏みするように見てくる侍女長
私も昨日まで侍女頭だったので面識がない訳ではないが、私は侍女の中でも護衛と兼任だったのと王直属と王子専属は扱いが違う
階級が違うレベルだ、圧を感じるが堂々としていると
ふと視線が王子に戻り
「…お支度は宜しいので?」
「あぁ、既に出来ているが?」
義勇様が圧をかけると
「……畏まりました、ご案内致します」
そう言いながら、先に廊下を進む侍女長へついていく