第11章 高貴な方の唯一無二の支え~スルタン~前編
『…ぁっ…ぁん…っ』
僅かに媚声が漏れ出る艶めかしい唇に目を奪われる
口付けをしたい衝動に駆られる義勇
「…あまり、焦らすな。今まで我慢していた分、堪えきれそうにないんだが?」
義勇の瞳に欲の色が濃く出る
『…ん、私では…その、経験も…ありませんし…身分も、容姿も…釣り合いません…っ』
「そんなくだらない事が聞きたいのでは、ない。…みずきが俺を好きか、どうかだ。……好きなら、名を呼べ」
耳許に吐息をかけながら囁き、甘噛みをされて
みずきの理性は限界だった
本当は初めて会った時から、ずっと…
『…義、勇様ぁ…好き、です…っ』
ついに我慢出来ず、名を呼んでしまった
途端に義勇の表情が薔薇色に変わり
色香が最早、凶器のようだ
「…みずき……その汚れを知らぬ身体に今から【俺】を刻みつける」
言葉と裏腹に優しい表情の義勇
『わ、わたくしに…何を』
するつもりですか?と問う前に
「男と女が閨にいるんだ、…察せ」
プイと顔を背けられてしまった
ふと、初めて挨拶した日の不器用なやり取りを思い出し
少し冷静になると
……どうしよう、大変な事をしてしまった
熱に浮かされて、私はなんて事を…等と考えていると
美しい義勇の顔が近付き、口付けをされた
『…ん…ふ…んん…っ』
突然の事に驚き、口を離そうとしたが
逆に舌を絡めとられてしまい、より深い口付けに変わる
ねっとりと口から【気】を交換すると今までと比べ物にならないほど、身体が熱くなり甘い吐息と媚声が口端から漏れでてしまう
再び背筋が甘い痺れでゾクゾクする
身を捩り、快楽から逃れようとするが義勇から両手をベッドに押さえ付けられ
下半身にそのおみ足を割り入れられ、股をグリグリと強めに刺激されると
『…んあぁぁぁっ!』
軽く達してしまった
「…まだ少ししか触れていないが、達したな。…やはり相性がいいようだ」
ニヤリと意地悪く微笑む義勇
義勇の表情、手管、施される快楽に少し恐怖を感じるも身体は更に先を求めて言う事を聞かない
制止する為に口を開いたはずなのに出てきたのは
『…ん、義勇…様ぁ…』
吐息混じりの甘えるような声
義勇は一瞬、目を見開くが
「…身体が疼くか?…どうしてほしいか、言うといい」