• テキストサイズ

目眩く一時 ~刹那の情事~

第10章 少ない口数が増える理由は?




俺は飾らないでも可愛いみずきが好きだ

一生懸命でいつも俺を気遣い、支えてくれる

自分の鍛練も忘れず、日々努力する姿

そんなみずきが心底、愛しい

出来れば毎日、愛し合いたい


だが、毎日では嫌われるかもと遠慮していたら

最近はすっかりご無沙汰だ

お互い、任務で忙しくすれ違いが続き

文のやり取りはあったものの生存確認に近かったかもしれない



俺が、悪かったかもしれない

普段からもっと感謝や愛情を言葉で表現していれば、良かったのかも…しれない



久しく見ていなかったあの弾けるような眩しい笑顔

俺が、もっとも好きなその表情を
炭治郎に向けるように、なってしまったのか?


そう考えた瞬間

腸が煮えくり返る程の怒りが沸き上がり、驚いた

鬼に対して以外、そんなものはないと思っていた


だが、目の前の光景に間違いなく怒りと焦りを感じた

みずきを誰にも盗られたくない

はっきりそう思った

何を話してるのか気になり気配を消し、近付くと

『…あーぁ、義勇さんも炭治郎君みたいに気持ち察してくれる人だったら良かったのになー』


それは炭治郎の方が良いという事か?

確かに炭治郎は鼻がきくし、気も利く

若いのに出来た奴だが


…俺と別れる、のか?


正直、我慢の限界だった

気付いたら、みずきの後ろに立ち

「……炭治郎の方が、良いのか?」

と聞いていた


炭治郎の焦る顔に妙に腹が立った

みずきがはっきり答えない事も怒りに拍車をかけた

これ以上、この場にいたくないと気付いたらみずきの手を引っ張り、その場を後にした



本当は、分かっている

二人とも嘘はついていない、ただの偶然なのだと

みずきは俺の事を相談していただけだと

分かっているのに、目の前の光景に受け入れがたさを感じてならなかった




ーーー


水屋敷の玄関に着くや否や、抱き竦められ乱暴に唇を奪われた

みずきは噛みつくようなそれに驚きはしたが抵抗する気にならなかった

久しく触れあっていなかったから、どんな形でも義勇から求められて嬉しかったのかもしれない

自ら舌を出すと、頭を抱え込まれ夢中で舌を吸い合った

暫くそのまま玄関で荒々しい口吸いを繰り返し、酸欠で倒れそうになると


/ 147ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp