第2章 一人ぼっちのEve(第9.5章1)
秘書「では、なぜ中学の時まではあって、高校から無かったんですか?」
『家族が私に興味はないと言いましたよね。
だからです。』
秘書「だからと言って高校からというのは不自然すぎますが?」
『・・・・・・私には3つ歳の離れた姉がいます。
両親は昔から、見た目も要領も良かった姉を溺愛してました。
その姉は高校まで実家にいて、大学に進学するからって東京へ来ました。
そこから姉がいないので、クリスマスとかパーティーみたいなのをする必要がないと思ったんでしょうね?
両親は私を気にすることなく、仕事である農業をしていた。』
秘書「お姉さんがいたころのクリスマスはどのような感じだったんですか?」
『姉中心でしたよ。
姉はいつも欲しいものを買ってもらえて、私はそこらへんに売ってる文具。
姉は綺麗に梱包された、姉が望んだ物を、私のは私の希望も一切聞かずに買った文具を梱包もされずにそのまま渡される。
ケーキだって、姉はいつも大きいので、私は姉の半分にも満たない量を・・・家族の様で、家族ではない感じでしたね。』
秘書「さぞお辛かったですね。」
『いつものことです。そういうイベント毎で対応が違うのは。
姉の方が美人で、私は普通。・・・それ以下かも知れませんが笑
』
秘書「他には?お姉さんの違った事は。」
『・・・学年も3つ離れていたので、私の小学卒業を境に入学式や卒業式は同じ年になります。
卒業式も入学式も被る時がありました。
その時は両親が分かれてどちらかに行くことなく、両親共姉の卒業式と入学式に行ってました。
被らない時でも、姉は両親共行き、私は母だけって言う感じでしたね。それも、両親は姉の式には父は新品のスーツを着て、母はメイクも髪もバッチリ決めた着物姿。私には父不在で母は適当にしたメイクと簡単にまとめた髪にパンツスーツ・・・差が違いますよね?
その他にも、体育祭にも文化祭にも来てもらったことはないし、姉には体育祭も文化祭も両親共行って、動画までしっかり撮って帰って来るんですから。
私は家族と過ごすってことがわからないんです。
家にいてもいつも1人の様な感覚でした。』
秘書「だから、クリスマスイブだとしても特別なことしないから、忘れていたというわけですか?」