第2章 一人ぼっちのEve(第9.5章1)
12月24日
この日のお昼休みのことである。
『あ、中山さん!
中山さんもお昼ですか?』
秘書「國生さん、えぇ。今日はちょっと早めにお昼取れましたね。」
『いつも遅いんですか?』
秘書「その時によりますが、大抵は遅いですね。」
『お昼ズレるって大変ですね。』
秘書「國生さんはそもそも食べていなかったんじゃないんですか?」
『あっ、ハハハハ。つい、食べる時間ない時が多くて・・・』
秘書「それにしても、國生さんお昼にしては早くないですか?まだ12時の30分前ですよ?」
『それがですね。いつも午前中にやる内容が軽々進んでしまってるらしくて、30分早めに長めに休憩に入るんです。』
秘書「!!大抵は少しすぎてしまうのに、やはり國生さんは素晴らしいですね。」
『あ、そうだ。いつも30分長く休憩に入ってしまうんですけど、これって大丈夫なんですか?
お金とか余った分払うとか無いですか?』
秘書「ないですよ。
うちはもともと返金は求めていませんし、30分長く休憩してもなにも影響はありません。
研修時間は1日8時間ですが、別に短くなろうが、最終的にしっかり学んでいただけたら、なにも問題ありません。」
『ホッ、それは良かったです。』
秘書「ところで、國生さんは本日はどうする予定なんですか?
どこかイルミネーションを見に行くとか?」
『どこか行く?イルミネーション?』
秘書「...まさか気づいていませんか?
今日はクリスマスイブだということに。」
『・・・あっ!忘れてました。』
秘書「忘れてたって・・・」
『いやー、いつもクリスマスとかは仕事で、大体クリスマスだと感じてたのは、クリスマス限定の特別ドーナツが販売される時だけだったので。
今年は研修じゃないですか?だからついうっかり笑』
秘書「ずっと仕事だったんですね。
学生の頃はどうだったんですか?彼氏や家族と過ごしたりとか。」
『・・・彼氏は今までいたことないですね。
家族は私にあんまり興味ないので、中学まではらしいことはしましたが、高校のときはクリスマスいつも1人でした。』
秘書「恋愛とかは?」
『好きな人とかは普通にいましたよ。今まで...10人くらい?まぁ、だいたい振られましたが。』