第6章 2度目の貴方のBirthday(第31章以降)
高校に上がると、柚姫が東京の大学へ行ったからか、椿姫の分の家事は段々しなくなり、半年と経たないうちに椿姫の身の回りのことは完全にノータッチとなった。
その頃から椿姫は自分で料理や洗濯等の一般的な家事は一通りやっていたため、料理はある程度はできるが、オシャレなものは作ったこと無いし、基本的には農家である実家のため、家で作った規格外の野菜など(たくさんありすぎるため、これはいくらでも使って良いと言われていた)を使って調理していたために、椿姫が調理の仕方のわからない食材もたくさんある。
メインドーナツ本社の食堂を利用してから、自身が食べたことのないオシャレな料理や、食べた事もない食材を見るたびに新しい発見をする椿姫。
だからこその先ほどの"レシピ~"と言ったのだが、カタクリが椿姫の料理を褒めるものだから、椿姫は照れてしまい、自分の分を食べるのに必死になってしまう。
ケーキまで全て食べ、少し会話を楽しむ。
昼休憩が終わる頃に中山が済んだ食事の容器等を回収して午後の業務に取り掛かる。
が、椿姫はこの後の業務をどうするか考えあぐねていた。
『(昼前で今日やろうとした仕事も終わっちゃったしなー。
明日以降の仕事も今のところないしなー。
どーしよー。)』
そんな椿姫の様子を見ていたカタクリが声をかけた。
カ「椿姫、どうした?」
『いやー、午前中で今日やる事終わっちゃって、明日以降やる予定の仕事もないので、午後の仕事はどうしようかと思ってまして・・・』
カ「・・・さすがやる事早いな。」
『そんなことは無いですよ?
まだ入社して4か月しかたってないので、そんなにやる仕事も無いのが現状ですよねー。』
カ「いや、椿姫の日々のタスクを見ても、中途入社4か月とは思えない程の力量だ。
正直、ここまでできるとは思ってもみなかった。」
『・・・随分高い評価ですね?』
カ「俺は椿姫は現場で指導すれば良いと、パソコンなどの事務作業は他のヤツにやらせたら十分。
パソコン作業は最低限出来たら良いと思っていたからな。
実際は想像以上に事務作業もできる事に驚いている。」