第6章 2度目の貴方のBirthday(第31章以降)
そう言うとまたしてもそそくさと社長室を出て行く中山。
せっかくだからと椿姫はカタクリと向かい合って昼食をとることにした。
カタクリも普段は社長室で1人で昼食を取る。
それも自身の口元のせいであるため、そこに無理に踏み込まない中山が気を使って昼食だけ持って来て、社長室を出て行ってしまう。
だが、今日はカタクリの口元を知る椿姫が一緒だ。
だから2人で昼食を取るようにと、これも中山が気を使った結果だろう。
中山本人は
"付き合っているんだし、どうせ知っているんだろうから、一緒に持って行っても良いだろう。
というかキスとかしたんでしょ?それなら気にしなくて良いでしょ笑"(←ちょっとやさぐれ)
と思っているため、その点は気にしてない。
ちなみに中山はいつも同じ秘書である子と昼食を取っている。
その子はカタクリの兄であるペロスペローの彼女であるため、恋愛相談やシャーロット家についての話をメインとした女子会をほぼ毎日開催している。
今日はカタクリと椿姫のことについての話になりそうだ。
相変わらず美味しい食堂の料理に舌鼓を打つ。
『カタクリさんいつも思うんですが、ここの食堂のお料理美味しいですよね?
何でこんなに美味しいんだろう?
レシピ教えてほしいくらい。』
カ「それはそうだ。
うちの食堂は栄養価はもちろん、出来も完璧なものを求めて調理してもらっている。
うちの社員には全員それを食べてもらって、舌を肥えさせないと最高に美味い完璧なドーナツは作れないからな。
普段からそっちの方の教育も欠かさない。
・・・だが俺は、椿姫の作る食事の方が好きだな。
毎日でも食べたくなる。」
『またまた~、そんなこと言って。
本心はそんなに思ってないですよね?』
カ「いや、いつも思っている。
俺のためだけに作られている料理だと感じる。
だからか凄く美味いと思うんだ。」
過去に何度か椿姫がカタクリに手料理を振舞う事が多々あった。
実家にいた頃は、中学までは姉の柚姫分を作るついでと言い、端くれや多少焦げたもの等ではあるが母親は椿姫にも作ってはくれていた。