第5章 貢ぎ癖の始まり(第13.5章2)
時はすぎ、夜────。
椿姫は杜丘店であるものとにらめっこしていた。
『ここでもだ。
さっきの杜丘南店でも、ビスケットとクッキーの詰め合わせ(最高ランク)が届いたし。
この店に至っては、スムージーギフト(最高ランク)の詰め合わせだと?
なんでこんな高いものばっかり届いてんだろ?
しかも全部、私宛。
とりあえず、カタクリさんにお礼の連絡しないとな。』
椿姫は最後のスムージーギフトの詰め合わせが届くまでは、宛先を椿姫にしてただけなのかと思い、後で店としてお礼すればいいか、という気になっていたのだが、最後の物も椿姫宛になっていたことを故意だと感じ、慌ててカタクリにLINEをした。
【 From 椿姫 】
お疲れ様です。
お菓子色々ありがとうございました。
美味しかったです。
少しすると、カタクリからすぐに返信が来る
【 From カタクリ 】
それは良かった。
是非椿姫に食べて欲しくてな、椿姫宛に送ったんだ。
先月入院してたんだ。
これから十分糖分を取ってくれ。
『・・・うわー。
やっぱり、私宛だったんだー。
しかも入院した理由が理由だし、まぁ、糖分も取らないとって言うのは確かにそうだな。
気を使っちゃって悪いことしたなー。』
【 From 椿姫 】
気を使わせてしまってすいません。
以後入院までしないように、しっかり栄養と糖分を接種します。
【 From カタクリ 】
俺がしたくて送ったんだ。
気にするな。
気に入ったのなら、これから定期的に送るが?
どうだ?
【 From 椿姫 】
いえ!良いです!
十分頂きましたし、定期的って程はいりません!
って言うか、これってホワイトデーですか?
私、バレンタイン送ってませんが?
【 From カタクリ 】
バレンタインやホワイトデー関係無しに送りたかっただけだ。
今回はたまたまそれがホワイトデーだっただけ。
そこも気にするな。
【 From 椿姫 】
ありがとうございます。
『バレンタインとか関係無かったのかな?』
カタクリからの贈り物に、少し疑問を残した椿姫だった。