第3章 賑やかなX'mas(第9.5章2)
ソファーに座り20分程たった頃、椿姫の前に大きな影ができる。目の前に人が来たため、誰だろう?と椿姫は顔を上げた。
目の前には、いつも着けている口元のファーはそのままで、パーティー用のスーツに着替えていたカタクリがいた。
『カタクリ社長、お疲れ様です。
まさかあなたが来るとは思いませんでした。』
カ「・・・やはり椿姫か?変わったものだな。
お前だとわからなかった。」
『そんなに変わった感じはしませんがね。』
カ「それと、この場はプライベートなことだ。仕事じゃねぇ。だから、社長を付けなくていい。」
『あ、そうなんですね。わかりました。』
椿姫はカタクリのエスコートのもと、パーティー会場まで足を進める。
次は会場に入る受付を済ます。カタクリと共にいるため、顔パスで会場に入っていった。
時間よりだいぶ前にも関わらず、もう結構な人が会場内にいた。
『もう結構な人がいるんですね?』
カ「みな、今日のパーティーを楽しみにしていたんだろう。」
『今日のパーティーは万国グループの関係者しかいないんですか?』
カ「そうだが、ほとんどは俺の兄弟たちだな。中には先に結婚している伴侶を連れた兄弟もいる。」
『あぁ~、それだけでも相当な人数になるでしょうね?
お父様たちも来てるんですか?』
カ「いや、来ていないだろう。
ママは自分と関係を持った、子供の父親でも追い出すし、それから一切の接触も許さないからな。」
『ガルガル期っていうのが長いのかな?・・・あっ!あれは!!』
椿姫は目の前にいた人物を見て、声をかけた。
『ペロスペローさん、ご無沙汰しております。
本日はお邪魔いたします。』
ぺ「ん?・・・おぉー。椿姫じゃないか?!
ドレスコードしてもらったのか?似合っているよ。ペロリン♪」
見つけたのはカタクリの兄、ペロスペローだった。
『私はどんな感じかわかりませんけどね。
それらしいものがあんまり持ってきていなかったので、助かりましたけど・・・ドレス着るの初めてなので、緊張しています。』
ぺ「これは自分でオーダーしたのか?」
『まさか・・・自分がどんなのが似合うかなんてわかりませんから、全てお任せしました。』
ぺ「そうか・・・カタクリとお似合いだよ。ペロリン♪」