第2章 一人ぼっちのEve(第9.5章1)
~ カタクリ Side ~
昼過ぎ、カタクリが自室で仕事をしていると、昼休憩の終わった秘書の中山が室内に入ってきた。
秘書「社長、午後からの業務ですが、明日の夜に開催される万国グループのクリスマスパーティ出席のため、本日中に書類や申請されたものの承認等の作業をお願いいたします。」
カ「あぁ。」
秘書「・・・ところで、先程國生さんにお会いしましたよ。食堂で。」
カ「食堂で?少し早くないか?」
秘書「なんでも、午前中に予定してる講義は大抵軽々進んでしまうらしく、いつも30分早くお昼休憩に入るみたいです。」
カ「すげぇな。椿姫は。
あれは元々普通にやっていたら時間いっぱいまでかかる内容だ。
だが、年々店長研修に参加するやつのレベルが低くなっていき、最近じゃ時間がすぎる。
そろそろやる内容や日程などを考えないとなと思ったいたところだったが・・・26の女が出来るなら、それ以上の男は絶対出来ねえと面目たたねぇな笑」
秘書「えぇ。私も彼女のスキルには日々驚かされます。」
カ「それで?それだけじゃ無いんだろう?」
秘書「國生さんについての情報が2つあります。
1つは本日のイベントであるクリスマスイブについて。
もう1つは、國生さんの家族についての情報です。」
カ「・・・どんな情報だ?」
秘書「はい。まず大きく分ける点として先にクリスマスイブを出しましたが、説明をするにはまず、ご家族のことからお話します。」
こうして秘書は、昼に椿姫から聞いた内容をカタクリに伝えた。
秘書「國生さん、今まで寂しいクリスマスをすごしたみたいですね。
"家族と一緒のはずなのに、心は遠い"まるでそんな表情でした。」
カ「....家族から疎外される...そんなもんか?」
秘書「おそらくは。」
カ「そうか。中山、コレを買ってこい。
最上のラッピングもな。金は俺のカードを使え。」
カタクリは秘書に印字された用紙1枚を渡した。
秘書「・・・これは?」
カ「椿姫のクリスマスプレゼントだ。
買ったら椿姫のホテルに預けてこい。」
秘書「なぜこれを?もう少し可愛いものでも。」
カ「いや、これが1番だ。」
秘書「...なにか理由がおありで?」