第2章 一人ぼっちのEve(第9.5章1)
【 From 椿姫 】
カタクリ社長
わかりました。
参加します!
どこでやるんですか?
椿姫
【 From カタクリ 】
お前の宿泊してるホテルだ。
詳しい話は明日、会社で話す。
【 From 椿姫 】
カタクリ社長
了解しました。
それでは明日、メインドーナツ本社で。
椿姫
椿姫は携帯をテーブルに置き、用意されていたクリスマスケーキに手をつける。
そのケーキは万国グループでクリスマスの期間だけ販売されている。
スイーツの達人達である、株式会社万国の社長シャーロット リンリンの子供たちが、それぞれに極めた技術を合わせて完成させた至極のケーキだ。
金額も当然値が張るが、その味を求める人や、他のケーキを食べられないと言う人が予約開始と共に争奪戦となり、数分で予定数が完売してしまうほど人気なのだ。
『あぁ、やっぱり万国グループのケーキは最高!
私の為だけに5号のケーキって・・・とっても贅沢♡
本当、ほっぺた落ちそう・・・いくらでも食べれる♡』
今後、食べることがないと思った椿姫は、しっかり味を覚えるため、ゆっくりじっくり食べ進めていた。
『今まで、こんな豪華な物を食べたことないし、こんな大きなケーキも食べたことない・・・
今年は1人のイブだけど、明日はカタクリさんと一緒か・・・
でも、1人だからと言って寂しいわけじゃない。
むしろ今までより、心がポカポカ暖かい。
カタクリさんって優しいな〜。
カタクリさんの会社が招待したからかもしれないけど、ここまでしなくて良いのに・・・
1人ぼっちじゃない。まるで近くにカタクリさんがいるみたい笑
...ホントずるいなぁ、勝手なことって言っておきながら、私のことを心配してくれる。私が欲しいとポロッと言った言葉を覚えてて用意してくれる。
カタクリさんみたいな人なら、私も幸せになれるんだろうか?』
椿姫がケーキも食べ終えて、テーブルを軽く片付け、シャワーを浴びに脱衣室へ向かう。
翌日に備えて身体を十分に温め、椿姫は眠りにつくのだった。