第13章 13、ハリネズミのジレンマ
【乱歩目線】
はぁ。
事件を解決して、敦と探偵社に帰ってきた。
とてつもなく疲れた。
半分は彼女のせいかもしれないけれど。
僕の気持ちも知らないで毎日告白紛いの事をするとか。
なんて思いに耽っていると、横から声がする。
『乱歩さん、いつまで彼女を放っておくんだい?』
『なに、太宰。ほっとくも何も。僕が何か出来る代物じゃあないでしよ。』
『でも好きなんでしょう?』
『ばっ!!!』
にやつく太宰に乗っかって、与謝野女医も便乗してくる。
『そうだよ。乱歩さん。あんな可愛い娘、早くしないと誰かに取られちまうよ?』
『与謝野女医まで、、、。』
こんな僕がやるなんて、と思いつつ、いつか彼女に話さなければならなかった。
『仕方ないなぁ……。』
重い腰をあげる事にした。
このままの関係で良かったのに。