第4章 Attack of the Clones.2
見たこともない量のブラスターの雨が降り注ぐが、今の彼女には関係ない。
彼女にはこれまでにないほどの自信と力がみなぎっていた。
ドロイドが後ろに回り始めたのを確認すると、隠れながら一人戦うパドメが隅で映る。
誰よりも守らなければならない人物を守るべく、エキドナは道中様々なドロイドを切り倒しながらパドメの元へ向かう。
「危ない!!」
充分彼女は隠れて戦っていたのだが、左側から来た幾つかの流れ弾に気づかない。
咄嗟に駆けだした足は、パドメを守るように飛び込みセイバーで跳ね返す。
しかし。
「エキドナ!!!」
流れ弾は跳ね返した後も来ていて、一つが彼女の右腹部端をかすめて焼き付けると、生まれて初めて受けたブラスターの激痛に彼女は思わず叫ぶ。
しかし、大きな痛みの波が収まると考える余裕があるほどまで落ち着く。
ブラスターが直撃ではなくかすめ、幸い肋骨の下で大事な神経に当たっていないのが功を奏したのだろう。
「大丈夫なのですか?エキドナ!!」
「大丈夫、で、す。議員。ラッキーなことにかすっただけのようです。」
「ラッキーではありません。ここで休んで…。」
「いえ、議員顔を出してください。」
あたりが妙に静かなことに取り囲まれたことを察していたエキドナは、パドメに顔を出させる。
隠れていた遮蔽物の上からはドロイドが何体も取り囲み、こちらに銃口を向けていた。
「議員、すみませんが肩を貸していただけますか?」
「えぇ。」
右をかばうように立つと、中央に集められドロイドに囲まれたジェダイたちが目に入る。
そんな中、パドメに支えながらエキドナがドロイドに連れられれば注目を集めることは間違いなかった。
「「エキドナ!!」」
「パドメっ!マスターっ!」
ジェダイ何人かのざわつきとオビワンやシャアクティ、アナキンの心配する声に、エキドナは怪我した自分が情けなくなって目をそらした。
「アミダラ議員、貴方は一番真中へ。」
ジェダイたちをかき分けてエキドナを迎えに来たシャアクティがパドメにそう耳打ちすると、パドメは心配そうな目で見つめながら中央へ歩いて行った。
「右のお腹をかすめただけですマスター。ご心配なく。」
「もうすぐマスターヨーダが来るわ、クローンを連れて。それまで耐えて。」