第4章 Attack of the Clones.2
獣は、食事のエキドナの元まで向かってくる。
目は充血したようにひん剥いていて、涎が捕食対象として追ってきていることを物語る。
「お昼ご飯の時間なのかな?」
エキドナはくるりと柱の裏に回り、強く手錠を引っ張ると獣が柱ごと噛みついたことで柱から切り離される。
次に、歯から血をだらだらと流す獣は、先ほどよりも激昂してエキドナに向かう。
柱があることをいいことに、手錠は外れないままであるが柱に何度も噛みつかせて怒りと疲弊を待った。
「絶対議員はスパイのほうが向いてる。」
少し動きの遅くなった獣を見て余裕が出ると、エキドナはパドメを見やる。しかし彼女は鎖で虎を圧倒していて背中に傷があるようだが、まず自分の獣を優先して良さげな雰囲気であった。
「おっと。」
そうしているうちに向かってきた獣を反射でよけると、とうとう学習したのか獣は柱に噛みつく手前で止まる。
看守のジオノージアンには悪いが、エキドナは餌対象を自分から彼らに向かうよう柱を離れた。
一回転して看守の元へ向かうと、獣は次に爪で切り裂かんと迫ってくる。
四足歩行なだけあって追いつかれるのは早く、避けながらフォースダッシュで瞬時に看守の目の前まで来ると、エキドナはくるりと看守の後ろに隠れ、その瞬間彼は喰われた。
「わあお。」
一人看守を殺したということで4人ほど看守が追加されると、また彼らを使ってひらひらと逃げながら徐々にフォースを使って獣の精神をコントロールする。
最初は全く効かなかったが、エキドナが集中力をぐっとあげると獣もブルブルと自我と戦いながら落ち着いた。
「アナキンよりいい子だね。」
エキドナはそのまま獣が出てきたゲートまで連れていくと、待ち受けていた看守が電撃で獣を一瞬で自我に戻す。
しかし、獣の目の前に映っているのはエキドナではなく電撃を食らわせた看守たちであり、一瞬で激昂した獣は自らゲートへつっこみ看守たちを食い殺していく。
エキドナはその様子を見ると、ゲートを閉め、看守が持っていた電撃棒で開閉ボタンを壊し、もう一本落ちていた電撃棒を足で支えて折ってとがっている部分を自分に向けて手錠をセットすると、力を入れて肌が擦れながらもブチりと手錠の輪ごと外した。
「よーし。」
「マスター!」