第4章 Attack of the Clones.2
外に出てしまえば、耳を塞ぐほどの歓声は増しに増して、頭痛がしてくるほどにまで湧き上がる。
処刑台である柱に到着すると、手錠を上から吊るされて両手を上げられ、じりじりと照り付ける太陽が、直にエキドナの顔を焼いた。
…処刑台に立って何分経っただろうか。対象はエキドナとオビワンであるはずなのに執行されないので、2人は顔を見合わせていた。
「他にもいるってこと?」
「そうとしか考えられないな。私達だけならとっくに始めているはずだ。」
2人はいろいろな推理をして見せるが、その推理はすぐに的中することになる。
「ほら追加が来た。待たされすぎて手に血が行き渡らなくなってきたよ。」
太陽の熱さにぼんやりとしていたエキドナ達だったが、観客の歓声が慣れていた耳を破る勢いで湧き上がったことから、周囲を見渡すとアナキンとパドメが連行されてきたことに気づく。
「メッセージを届けてくれたのかと不安に思いはじめてたところだ。」
「依頼と同時に転送しましたよ、マスター。それで助けに来ることにしたんです。」
「上出来だ。」
エキドナ、オビワン、アナキン、パドメと順に柱に並べられると、いつも通りオビワンはアナキンに説教を並べようとするが、ドゥークーと一緒に立っているジオノージアンの声に観客が静まったことで目の前のことにだけ集中することにした。
「嫌な予感がします。」
4人の目線の先には、猛獣の成れの果てのようないかにも危険な獣がよだれを垂らしている。
右から順に虎・サイ・カマキリ・ライオンに、近い獣たちである。
「気持ちを落ち着かせろ。集中するんだ。」
「パドメはどうします?」
「彼女はしっかり状況を把握しているようだ。」
「彼女には無理だ!」
おそらくこのままでは、パドメはあの虎に当たってしまうわけだが、パドメはアナキンとオビワンが話しているうちに手錠を外して柱の上に登っていた。
「やっぱり議員じゃない道があったはずだよ彼女。」
そう言って笑うエキドナの10メートル先には、ライオンが迫っていた。
改めて近くで見る危険そうな匂いに、流石のエキドナも顔を引き締める。
今にも食事を喰わんとする獣をどう討伐するか考えたわけだが、フォースで手名付けるほかいい案が出なかったエキドナは、まず手錠を外すところから始めた。