第4章 Attack of the Clones.2
しかし、ここで負けないのがエキドナ。数々の過酷の任務をこなし敗北を知らない彼女は、背中に受けた傷一つと無い強き女性である。
「お前たちは面倒なまでに揺らがないな。」
「ほら嘘ついてる。」
「そろそろ黙れ。1話せば10返す煩い女だ。うるさい女は飽きられることを覚えておけ。」
「生憎オビワンみたいに交渉の弁は立たないけど、皮肉の弁は驚く立ってしまって。
安心してほしいのだけど、ご老人に飽きてほしくないだなんて思わないの。私まだそこまで年取ってないから。」
「地獄へ落ちろ若造。私の目の前で泣き叫びながら死んでいくことだな。」
ついにしびれを切らして怒りを露わにしたドゥークーは杖を強く鳴らしながら部屋を出ていく。
そしてすぐにレイシールドから出されると、手錠をされて気持ち悪い羽根音のするジオノージアンに連行されていく。
「これ、まずいことになりそう。」
「あぁ、面倒なことになったぞエキドナ。」
つぶやいた後ろから愛しの人の声が降ってきたエキドナは、ぱっと顔を明るくして振り返る。
そこには、同じように手錠をされて連行されてきたオビワンが立っていた。
「エキドナもドゥークーに話を聞かされたのか?」
「うん。ちょっとむかついて言い返してたら怒って地獄へ落ちろって言われて…。」
「ドゥークーはそんな気が短いタイプではないぞ。どんな返事をしたんだまったく。」
溜息をついてあきれ返るオビワンをみて、エキドナはくすくすと笑う。
オビワンを一瞬も疑うことなく信じてよかったと、彼の顔を見て心底思った。
「それより今からあるイベントは私たちが主役?」
「だろうな。公開処刑といったところだな。」
護送用の乗り物に乗せられ進んでいると、耳を塞ぎたくなるほどのジオノージアンが会場から聞こえてくる。
「アナキンは転送してくれたのかな。」
「きっとしたはずだ。そう信じるしかない。」
乗り物は発車し、ゆっくりと処刑台の元へ向かっていく。
外の光へと進んでいく中、2人は話をつづけた。
「不安か?」
「ううん。オビワンと一緒なら私、何でもできる気がする。」
「私もだ。どうにか乗り越えよう。」
手錠したままのオビワンの手が、エキドナの手を握る。
いよいよ外に出てしまうその前に、2人は愛する互いを見て微笑みあった。