第3章 Attack of the Clones
「オビワン、あそこ。」
フォースに導かれて地上付近に降りてくると、黒い煙が上がっているのが見える。
10年アナキンを育てて分かったことの一つ。黒い煙は大体アナキンの仕業だ。
「行こう。」
スピーダを近くに止めてクラブへと足を進めると、そこにはそわそわして焦りの表情を浮かべているアナキンが居た。
「また大暴れしたみたいね。」
「彼女はクラブに入りましたよ、マスター。」
エキドナの遠回しの安否確認もスルーして、犯人を追いかけるべく中に入ろうとするアナキン。
「落ち着け。フォースを使うんだ。頭を使え。」
「すいません、マスター。」
「やつは逃げるためじゃなく、隠れるために入ったんだ。」
「はい、マスター。」
「次はなくさないようにしろよ。」
「はい、マスター。」
「この武器はおまえの命だ。」
「頑張ります、マスター。」
いつも通りのやり取りを行う2人。しょぼくれたアナキンを見て反省の色が見えると、オビワンはライトセーバーを渡す。
「いつかおまえに殺される気がしてならないよ。」
「ちょっとオビワン…!」
「なんてことを言うんですか、マスター。僕にとって父親同然の人なんですよ。」
説教にしては物騒なことを言うオビワンに、エキドナも思わず驚く。
「ではなぜ私の言うことを聞かないんだ?」
「努力します。」
3人はごたごたと小言を言い言われながらも、犯人が入ったと思われるクラブの扉を開ける。
一気に、薬と酒と女の香水の匂いがエキドナの嗅覚を駄目にする。ついでに爆音の音楽で耳が壊れてしまいそうだ。
エキドナはバーが大好きだが、上記の理由でクラブが苦手である。
「あの男はいるか?」
「女だと思います。おまけに変幻自在なんです。」
「ならば余計に気を付けんとな。探しに行くぞ。」
そう言いながら、オビワンはエキドナの肩を叩いてカウンターを指差す。
アナキンが中部へ入っていく中、そんな行動をとったのでアナキンは不思議そうに問う。
「どこへ行くんです、マスター?」
「一杯やるんだ。」
オビワンは、バーカウンターにつくなり2人分のドリンク代を出す。