第3章 Attack of the Clones
「嫌な予感がする。」
「嫌な予感?議員のことなら大丈夫だろう、アナキンがついてる。」
「そのことじゃない、もっと他の…未来の。」
アナキンをパドメの護衛に残し、オビワンとエキドナはパドメの邸宅のセキュリティに漏れがないかのチェックに回る。
その間にエキドナは、心のうちのそんな不安を漏らした。
「犯人捜しは私も賛成ではあるところだけど、彼と議員を合わせることは私は間違ってると思う。
みたでしょ?あのアナキンの様子と発言。」
「唯一の幼いころからの友人だ。仕方がないところはあるだろう。ただ、その友人に対して執着が強すぎるのもたしかだ。」
「才能が彼を傲慢に変えてしまった。彼は私たちがアナキンを放したくなくて卒業させないと思ってるけれど、才能に溺れてるからこそ、才能に溺れてジェダイとしての本文を忘れてることに気づいてないと思うの。」
「それは間違いなくそうだな、私たちの教育ミスだ。」
「どうしてこうなってしまったのかな。」
この10年間、2人は彼を愛と厳しさをもって育ててきた。
しかし、彼の自尊心は度を越え、2人の教えを真摯に受け止めない。
クワイガンの遺言を貫き通すと誓い、過ごしてきた10年間。
もはや2人で育ててきた意味があったのか不安になってきたところである。
「悪い子じゃ全くないんだけどね。」
「あぁ、私たちの弟子だからな。」
「私たちの弟子だから悪い子なのかも?」
「それはどういう…。」
従業員用裏階段の踊り場で抗議しようと立ち止まって腰に手をかけるオビワンの腕を引いて、エキドナはほんの少しの背伸びをすると、頬に触れるだけのキスをした。
「なっ…議員のマンションだぞ!!防犯カメラがついてたらどうするんだ!!」
「階段にカメラなし、セキュリティの穴発見ですよ、マスターケノービ?」
「はあ……。」
そんな彼女に惚れたのは紛れもなくオビワンなのだが、そんな彼女を愛おしく思いながらも呆れたオビワンは、大きなため息を階段中に響き渡らせた。