第3章 Attack of the Clones
「ん?アナキンっ!!!!」
「どうしたんですかマスターエキドナ。そんな大きい声をだし…」
「「あ!!!!!」」
大体同じレベルのパダワンたちで、集まって早朝から瞑想する習わしがジェダイにはある。
3か月も他の惑星に居て、時間間隔が狂ってしまっていて、オビワンも同じように声を挙げた。
「すみませんマスター方!僕は失礼します!」
一気に酔いの冷めたアナキンは、青ざめた顔をしてローブさえ忘れて出て行った。
「すっかり忘れていたな。」
「3か月は大きかったね。でも、聖堂のベッドよりふかふかで睡眠の質は良かったなあ。」
「なんだ、それならブロスの元へいくか?」
「勘弁してよ。ベッドの柔らかさでジェダイ辞めさせないで。」
いつも通りの軽い冗談を交わし、たまに訪れる2人きりの空間は、騒がしいアナキンが居ない分ゆっくりと流れる。
エキドナはアナキンのローブを畳んでそっと置くと、部屋中に香る酒の匂いに窓を開けた。
「しかし飲んだな。」
「ほんと。こんなに飲んだっけ。」
立ち上がってよく部屋を見渡すと散らばっている酒瓶。
そんな酒瓶達と新しく吹き込む風が、自分たちが相当酔っていることを教えてくれていた。
オビワンと共にアナキンを鍛えて10年。
隠し続けた恋心は、実らず、お互い心の奥底に隠している。
もちろん、10年もあれば互いの部屋に入ることもあり、そのたびに心臓が騒がしくなる。
2人で飲みに行くこともあれば、アナキンが居たと言えど近くで眠った夜もある。
そのたびに心臓を高鳴らせるが、今日は何かが違う。
エキドナは現に心臓を騒がしくさせていたが、酒に意識がぼんやりとして、判断能力が甘い事を悟る。
そしてアナキンが出て行ってから、これまでに無い程の高揚感に襲われたエキドナは窓の方を向いて胸に手を置いて落ち着かせた。
やっとのことで少し落ち着いたエキドナは、窓枠に頬杖をついて遠くを走り去っていくスピーダ達を眺める。
仕事へと急ぐ忙しそうなコルサントの街並みに、このゆっくりした時間が心地よい。
だが、高ぶりを落ち着かせたエキドナの胸はまた高鳴り始める。