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陽の沈む夜に。

第3章 Attack of the Clones



「君と久しぶりに会った時の事をいまでもよく覚えているよ、エキドナ。」

「オビワン?」


  「オビワン?ええっ!!オビワンなの?久しぶり覚えてる?」
  「もちろんだよ、…ですよマスターエキドナ、お久しぶりです。」
  「わぁああ、雰囲気変わったね。もうずいぶん昔だもんね。」



ふとそんな再会したときの互いの反応を思い出す。
その時本当にほんの少しだけ、気持ちが動いてしまったことも、よく思い出す。

そして、その思い出の風に乗るように、窓に向かって立つエキドナの背後に立ったオビワンは、
自身の大きな体でゆっくり、ゆっくりと彼女を抱きしめる。
恐る恐る、大事に、壊れ物の様に優しく自身の腕の中に、彼女と同じ窓の外を眺めながら包み込んだ。

「君が大事なんだエキドナ、もうこの気持ちは抑えられない。」

大好きなオビワンの匂い。少し嗅ぐだけでもドキドキの止まらない香りに、いま抱きしめられている。
エキドナは息が出来ないほどに心臓が鳴り、どうにか返事をしようと息を吸うが、上手く息が出来ない。

だからこそエキドナは、返事の代わりに後ろから抱きしめるオビワンの方へ振り返る。
どうしてこの時こうしたのかはわからない。酒のせいにしておこう。
向き合うことで合ったお互いの目線は甘美で、互いが同じ気持ちであることを自然に察す。

朝陽が、やんわりとエキドナ達を包み込み、駄目だとわかっていながらも、互いのローブがパサリと音を立てて交わると、自然とオビワンの手はエキドナの頬へ添えられる。

10年努力して隠し続けた恋心を、全て水の泡にしていくように、水に溺れていくように、
駄目だ。そんな気持ちをどこかに沈めて。

2人の唇は重なった。

10年越しの思いを伝えるように、お互い、長く、美しいキスをする。
酒の匂いも、ここが寺院であることも、すべて忘れて太陽の祝福を受けながらキスをした。


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