第2章 The Phantom Menace.2
陽動作戦なだけあってこうなることは想定していたが、心の中でなんとかそのまま進んで玉座の間まで入ろうと考えていたエキドナは少しだけがっかりした。
「陛下、お怪我はございませんか?」
「大丈夫。よくやってくれました。」
あとは影武者グループが上手くやってくれることを祈るのみ。
そう思いながら大人しく連行されているとき、密かなごり押し作戦が失敗したこととは別にフォースがなにか悪い知らせを知らせていて、それが何なのかわからなかったが気持ちの悪い鳥肌に心臓が脈打つ。
「反乱ごっこはこれまでですな、陛下。協定にサインをお願いします。元老院の無意味な論争を終わらせましょう。」
そんなことを気にしているうちに、目の前には醜い今回の件の元凶ヌートガンレイとルーンハーコがニタニタと笑ってライトセーバーをチラつかせながら目の前にそびえたっていた。
「あぁ。これはこれはマスターアイヴァーン。少し疲れているのかな?」
「貴方たちのお陰でね。」
自称、通称連合アレルギーのエキドナは、もうヌートガンレイと顔馴染みというレベルでの認知である。
ボロカス(口悪)に言ってやろうかと思った時、後ろの扉から多くの足音がした。
「総督!占領はここまでです。」
「追え!こいつはおとりだ。」
影武者軍がドロイドを引き付けると、パドメはにやりと口角を上げた。
「隊長!」
残りのドロイドをパドメとパナカが倒し切って、玉座の間には当初計画していた通りの状況が出来上がる。
「ドアを閉めろ。」
「その図体の割りに脳みそは相変わらず蟻さんなのね。」
エキドナはヌートガンレイに満面の笑みで近寄って、ライトセーバーを渡せと手を出す。
悔しそうなヌートガンレイは、ライトセーバーを大人しく渡して護衛隊に囲われた。
「さて、総督、新しい協定について話し合いましょう。」
パドメのその声で、今回の事への言及が始まった。
銀河憲法についてなど、エキドナの基礎知識に無い事をスラスラと述べているパドメは非常に格好がよかった。
次々と言い負かされるヌートガンレイが面白くて、ニヤニヤしていたが、あまりにも連絡がないクワイガンとオビワンが急に心配になり、コムリンクでビーコンを鳴らす。
待てど返答もない彼らにエキドナはしびれを切らしてパナカの方へ駆け寄った。