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陽の沈む夜に。

第1章 The Phantom Menace



「あぁ、助かる。あとは自分らだけで大丈夫だ。」

「わかった。アナキンの結果だけいつか時間があるとき教えて。」

クワイガンがうなづいた隣で、オビワンが暗い顔をしている。
またクワイガンの事で悩んでいるのだろう。
クワイガンは、とても優秀なジェダイとして知られるが、彼の身勝手で頑固な性格のせいで評議員へ昇格できない。
オビワンが、彼を尊敬しているからこそ悩んでいるのだ。

「オビワン、頑張って。」

エキドナはそういってオビワンの肩を叩くと、手を振って足取り軽く自室へと向かった。



「~~♪」

それから自室に戻ると、三日空けていた部屋の窓を開けると掃除ドローンを起動させて、待ちわびたシャワーへ急ぐ。
三日ぶりに浴びられたシャワーは、これ以上ない心地よさで自然と鼻歌を歌う。
歌いながらも頭に出てくるのは、彼の声に大きな後ろ姿に、笑顔。

思い出すだけで、体温は上がり、耳たぶまで熱くなる。

念入りに体と髪を洗うと、エキドナは部屋着のワンピースを羽織って、ソファーに横になるとケアクリームを塗りたくる。
一通り終わらせて珈琲を一口飲んだ時、脳裏をよぎったのは、恐る恐る敬語を外して話始める彼の声に、会えてよかったと話す彼の瞳。
心臓がドクドクと誇張を始めて、エキドナは胸に手を置くと動作を止める。

「やめてよ。」

そういっても辞めない大きな鼓動は、彼の匂いを思い出す。
なんだか、窓から入る風が冷たい。
これがなんなのか自覚してしまいそうで、怖くて、シャワー上がりの体が心から冷える。

「冗談じゃない。まさか、勘弁してよ。」

エキドナは、自嘲気味に笑うと、彼を追い払わんと珈琲をもう一口飲んで、自分の端末に来たメッセージの返信を始めた。


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