第1章 The Phantom Menace
「かの者はジェダイの武芸の訓練を受けていました。私の唯一の直感では、シス卿に間違いありません。」
ジェダイ評議会。招集を要求したクワイガンはじめ、エキドナとオビワンは評議会メンバーに事の経緯を説明していた。
「ありえない。シスが滅んで1000年だ。」
「我々が知らぬ間にシスが復活しているとは思えん。」
エキドナの思った通りの否定的な反応に、ため息が出かける。
疲労に、眠気に、この反応はいろいろときついところがある。
「見づらいからの、暗黒面はな。」
「この謎の解明に我々の総力を注ぎ込もう。フォースが共にあらんことを。」
ジェダイいちの剣士、メイス・ウィンドゥが話を終わらせる。
フォースが共にあらんことをと言われれば、退室するということだ。
エキドナとオビワンは一礼して下がりかけるが、クワイガンはまだ評議会の中心に残った。
「マスター・クワイガン。まだ言うことがあるのか?」
「お許しとあらば、マスター、フォースの集中に出会いました。」
「集中とな?」
その話か…とエキドナはその場で姿勢を正して話を聞く。
「そのような人物がいたのか?」
「少年です。彼の細胞にはこれまでに見てきた生物の中でもっとも高濃度のミディ=クロリアンが凝縮されていました。ミディクロリアンによって創造された可能性があります。」
エキドナは、クワイガンが初めて話したアナキンへの見解に何故か納得がいく。
あのチャートのはみ出方はそうとしか思えない。
「フォースの均衡をもたらす者の予言のことを言っているのか?それがその少年だと思うのか?」
「推測ではありませんが…。」
「もうよい。要点をはっきり言うがよい。」
ヨーダは、クワイガンの話をさえぎって答えを急かす。
「その少年をテストしてほしいのです、マスター。」
「その子にジェダイの訓練を要求するのだな?」
「彼との出会いはフォースの意思です。疑う余地はありません。」
「では、連れてくるがいい。」
確信を揺るがせないクワイガンに、自分まで頑固なジェダイだと思われていないか少し心配になりながらも、もう一度礼をして評議室から去る。
評議室の扉が閉まると、クワイガンは立ち止まってエキドナのほうを向いて話をした。
「面倒をすまないな。」
「いいのよ。いつでも呼んで。」