第1章 The Phantom Menace
次の日。午前中は護衛達に任せてまたドロイドたちに囲まれた部屋で寝ていた。
午後からは、機体の点検と昨日残していた船の修理をしてその辺にあった棒でオビワンと手合わせをして体を動かす。
本当にイニシエトに戻ったようで、楽しい一日を送り、手合わせ中に感じる対格差に、
オビワンはエキドナの女性ならではであるのに強いその剣術に驚き心が弾み、
エキドナは、ますますその恋心を実らせる。
そしてまた今晩も、また綺麗な街の明かりを眺めながら2人は話に花を咲かせた。
「マスターと飲んだことがあるのか?」
「そうなの、貴方のマスターお酒が強すぎてついていけなかったけどね。」
自分の知らないところでそんなことが行われていたことに、彼の胸がちくりとしたとき、クワイガンから通信が入る。
「はい、マスター?」
「今から送る血液サンプルを分析してくれ。」
オビワンは血液サンプルを受信すると、ただちに装置を起動させてサンプルを差し込む。エキドナも隣でその様子を眺めているとチャートがおかしな動きをし始めたことに眉をひそめる。
「ミディ=クロリアン値を知りたい。」
「ちょっとまって、これ。」
送られてきた謎の血液から検出されたフォースのチャートははみ出しにはみ出ている。
「チャートを振り切ってます。20000以上だ。マスターヨーダでさえ、こんな高いミディクロリアン値はありませんよ。」
「どんなジェダイでもないさ。」
「どういうことですか?」
「分からん。」
またもや一方的に切られてしまった通信。
「せめて誰なのかとか、教えてほしいものね。」
「あぁ。いつも言葉足らずなんだマスターは。」
装置をシャットダウンすると、オビワンは広大な星空を見上げる。
「にしても気になるな。あんなミディクロリアンの数見たことない。」
「私も、っていうかほかのジェダイ誰も見たことないと思う。」
そこから話が続かずに2人は沈黙を極める。
エキドナも夜空を見上げると、星がチラチラと輝いている。
なにも話していないのに心地の良いこの空間。こんな感覚は初めてだった。
日頃の任務の疲れを癒し、自分が今任務中であることをぽっかりと忘れてしまいそうだ。
美しい星空に美しい街の明かり、そしてオビワンはエキドナの顔をじっと見る。