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陽の沈む夜に。

第1章 The Phantom Menace



「そんな、まだ学ぶべきことが…!」

「相変わらず真面目ね。」

そう言ってまた目を細めて笑うエキドナが可愛くて、心臓がどくりと鳴る。
それがどんな感情なのか、もう答えは出ている。
ずいぶん昔、まだ16の頃、彼は同じ感情をとある国の公爵に抱いたことがあるからだ。
しかし、その時とは格段に違う強い感情が、彼の理性を押しのけようとする。

「それで結局ガンレイの裸を見たのか?」

オビワンはあまりにもこの感情と葛藤しすぎて、敬語を外してしまい、小さく声を漏らす。
そしてそんなオビワンに驚いて目を見開くエキドナもまた、心臓がせわしく鳴る。

「敬語じゃなくていいよ、…2人の時は。」

そして予想を超えたエキドナの返事に、オビワンもまた同じように目を見開く。

「…イニシエト時代の頃からの友達でしょ?」

やらかしたと思いすぐに言い訳をするエキドナは、一瞬で全身から汗を出す。
毎度の任務気になりつつも隠してきた感情が、恋に代わりそうだ。というかもう変わってしまったようだ。
確かに、何十回とこなした任務は気になっていただけで話すことも業務のみ。
それが一気に覆されたような自分の言葉に、後悔と恐怖が入り混じる。

「いいんですか?」

「私はね。同期なんだから。」

顔が赤いことがバレないのは、このまっくらな夜に感謝するべきだ。
駄目だ。駄目だ。と思っている2人の恋の歯車は全く止まってくれない。

真面目なオビワンは、これではジェダイ失格だと。
心臓が煩いエキドナは、まだここで止まれば大丈夫だと。

各々そう言い聞かせながら、受け入れるべきでなかった敬語無しの関係が始まる。

……それがまた、この迷える2人の恋心を加速させるなんてことは、簡単に予想がついただろうに。

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