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陽の沈む夜に。

第17章 The Clone Wars.10



「どうして私が奴隷役なの?」

「その役は僕には上手くできなかった。それに、ご主人様役のほうが僕には合ってる。」

「そう。それなら今回は上手くやって頂戴ね。」

美しい格好を隠しているアソーカは終始不満げにしている。

「まあアソーカ。私が演じるよりいいでしょ?」

「マスターエキドナ、貴方になんてさせられません。」

「それはどういうことだ!お前のマスターは僕だと何度…!」

おばさんが派手な衣装着るよりいいでしょ?といったつもりが伝わらず、アナキンの怒りを買ってしまったエキドナは、アナキンの口を手で押さえて笑った。



首都。大きな門をくぐるとそこは、賑わいににぎわっていた。
と言っても、楽しい賑わいではない。競りにかける声。汚い交渉をする声。怒る声。泣く声。叫ぶ声。
雰囲気は活気に満ち溢れているようで、沈んでいた。

「こんなに文明が進んでいるのに、なんで奴隷制度なんか。」

「弱者を利用して富と権力を得るためさ。ハット族に買われる前、僕の母親も市場でこんな風に売られていた。」

様々な種族の主に女が売られていて、男どもはそれを舐めまわすように見る。
見ているだけでも不快感で狂いそうな状況が目の前に広がっている。
自分がされたら?エキドナは考えるだけでも虫唾が走った。

「この女の値段は?」

「こいつか?こいつは高いぞ…」

ついエキドナの隣で聞こえた会話に振り向くと、そこにはマー・トゥークがニタニタと笑いながら話していた。
彼は、惑星ニモーディア出身の男性ニモーディアンで、独立星系連合の宇宙艦隊に仕えたキャプテンである。つまりは分離主義者であり、エキドナの大嫌いなヌートガンレイと同じ類の人物である。

「ちょっと位置変わって。」

ヨコを歩いているオビワンにそう言って位置を変わってもらうと、オビワンはマーを見て納得がいったように笑った。

「アレルギーが出るわ。」

「あぁ。ニモーディアンアレルギーだな。」

ふっと笑いながら歩いていると、目の前で人が倒れてしまった。
ぱっと手を貸そうとするエキドナをオビワンが止めると、エキドナは危なかったと思いながら一歩下がった。

「立て!役立たずめ。」

「ご主人様…、足枷が重すぎて…!」

「これでも重いか!」

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