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陽の沈む夜に。

第17章 The Clone Wars.10



アソーカが来てからというもの、マスターらしく怒りや欲望は少しずつ抑えられるようになったようだが、
その代わりにエキドナはアナキンから何とも言い難い強い心の中の怒りを感じるようになった。
不安そうに見つめるアソーカは、アナキンが去るとエキドナとオビワンに尋ねた。

「マスター、怒ってますよね。」

「アナキンはお前に子供の頃の話をしていないのか?」

「そのことについては話したがりません。」

エキドナとオビワンは顔を見合わせて困った顔をしたのち、アソーカにアナキンの過去を話そうと目で話し合った。

「アナキンは幼少期にハットに母親と一緒に売られていた。」

「ザイゲリア人は奴隷商人、…だから……。」

「アナキンは過去を断ち切ろうと戦っている。」

「大丈夫です。私が見守っています。」

「頼んだよ。」

どこか気が付けば大人に近づいているアソーカは、強い意志を持って師匠を見守ると宣言する。
そんなアソーカを見て困ったように笑いかけるとエキドナは、ドナーと話し合うためタワーへと歩いていくオビワンの後を追った。

「アソーカも大人になったね。」

「いつからかエキドナに敬語を使うようになったな。」

「……そういえばそうね。はっきりした境目は分からないけど、敬語になってる。」

エキドナ自身、別にため口で話されようとアソーカは数少ない女性の友達。別に気にしたことはなかったが、敬語に変わったということは彼女もジェダイとしての自覚が育ってきているということだ。
いつか生意気にアナキンの事を「すかぴょん」と呼んでいたアソーカの幼い面影はなくなっていた。

「年齢を感じるね~~。」

「感じていたのか?」

「どういう意味?」

「ドロイド戦であんな動きをしていながらその言葉が出てくるとは思わなかったよ。」

「オビワンみたいな頑固おじさんじゃないもの。」

「いってくれたな?」

そんな話をしながらドナーの居るタワーへ到着する。
この僅かな何でもない話ですら大きな幸せを感じる2人は、顔を見合わせて笑いあう。

「それじゃ、”怪我のないよう”いってらっしゃい。」

「それじゃ私はいつも怪我している様じゃないか。」

「はいはい。」

到着したエレベータに無理やりオビワンを押し込むと、エキドナは手を振ってオビワンを見送った。

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