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陽の沈む夜に。

第1章 The Phantom Menace



「おはよう、オビワン。」

あたりが真っ暗になったタトゥーインの夜。
エキドナは、どうしてもパナカと喋る気にならず、やっとの喋り相手を起こした。

「お、…はようございます、マスターエキドナ。」

おはようなんて言ってくるものだから、ぎこちなく返事をしたオビワンは恥ずかしくなってすぐに船を出た。
急いで出た外は既に暗く、少し向こう側には町の暖かな明かりが幻想的に輝いている。

「お腹空いてない?」

「ありがとうございます。」

「これどっかの聖堂とは違ってすごい美味しくてさ、さすが女王の船って感じなの。」

包装からして違う食糧を受け取ると、オビワンは護衛隊が使っていたのであろう椅子に腰かけてカンパンを口にする。
エキドナも同じように隣に座ると、遠くの街を眺めた。

「…!美味しいですね。」

「えっ、でしょ?」

そう言って笑いかけるエキドナをつい見つめてしまうのは25歳の青年。

「…にしてもこうやって話すのは初めてね。」

「そう…ですね。」

お互い敬語もなしに話していた12年前からほど遠く、話している内容は変わらないのについてきてしまう敬語。
年齢と反比例する上下関係。

「オビワン、お酒飲む人?」

「僕はあまり、…でも好きではありますよ。ただ飲む暇があまりないというか。」

「そうなんだ。私は好きだけどあまり強くないの。マスターティが一切飲まないから本当に最近なの。
友達にパティアって子がいるんだけど、その子が去年のお誕生日で送ってくれたのが初めて。」

「確かにマスターシャアクティは飲みそうに見えませんね。」

「でしょ?…ていうか聞いてよこの間ベイに会ったの。覚えてる?」

「ベイって…あの?あの臆病な?」

懐かしいイニシエト時代の友の話に変わると、会話は盛り上がる。
それからというもの、レフティという女の子はオビワンが卒業してすぐ、新人ナイトの男と駆け落ちした話。
ベイが最後の試練の時にセイバークリスタルを見つけられずにしきりに泣いていた話。
話せば話すほどに広がっては収まりのつかない話に、2人は警備など忘れていた。

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