第15章 The Clone Wars.8
セイバーすら通らないとなれば、エキドナらがやることはあまりなく、ただただ彼の暴れ様を見届けるだけであった。
途中アナキン率いるパルパティーンのシャトルをフォースで持ち上げたりということはあったが、それ以外何もすることはなかった。
そしてこの事件も終盤。
急遽作られた毒ガスにより、ジロビーストは悲鳴をコルサントに響かせながら死んでいった。
パルパティーンは何も気に留めていないようだが、ジェダイとしては大失態。
尊い命を奪う結果となってしまったのだ。
ただ普通に暮していただけであるのに、急に違う星に連れてこられ、鱗をはがされ、苦しんで殺され。
涙を流して横たわる彼の姿を見るだけで、エキドナは心が痛んだ。
「ごめんね。」
心底心が痛い。
エキドナはクローン達の制止も聞かずに、ただただジロの目の前に腰を下ろし、何度も謝罪した。
「エキドナ、帰ろう。」
普段なんとも思っていなそうなエキドナが、こういうことに関してだけは心底心を痛め、心を病むことをオビワンは知っている。
雨が降ってきた。
ざあざあと大粒の雨が。
様々な人が雨に濡れまいと横たわるジロに等目を向けずガンシップに乗り込むのに対し、エキドナは濡れた髪を払うこともせずジロの前で座り込んだ。
「エキドナ。」
オビワンは自らのローブでエキドナを雨から守る。
それに気づいたエキドナが振り返ると、今度はオビワンがびしょびしょに濡れてしまっていた。
「帰ろう。この惨劇を繰り返さないよう、私たちが戦争を終わらせなければ。風邪をひいている暇はないぞ。」
エキドナはオビワンの言葉に立ち上がると、待ってくれていたハンフリーのガンシップに乗って聖堂へ帰っていった。