第14章 歌小説 HappyBirthday backnumber
"ジェダイは無償の愛であれば許される"
"慈悲の心は一種の無償の愛だ"
愛とは、と聞かれてもジェダイの教えでしか語れないが
恋をするとどうなるのかの痛みでは語れるだろう。
ここまで語れるようになったのはエキドナのせいだが
彼女は、この痛みを知っているだろうか。
自分を見てこの痛みを感じてくれはいないだろうか。
たまにはそう感じてほしくて仕掛けてみるが、
結局動じずに平然としている彼女に胸を躍らせるのは自分なのだろう。
このまま今日が終わり明日が来れば
いつになっても縮まらないこの距離を
駆け引きにも綱引きにもならないやり取りを
もっと単純な名前で呼ぶことができるだろう。
"完全なる片思いだと"
ジェダイとして、想いが通じることは望んでいるようで望んでいない。
ただ、少しだけでも自分を意識してはくれないか。
そう思ってしまうのはきっと戒律違反を教え込んだクワイガンとエキドナのせいだろう。
彼女と話すだけで心安らぐ。
つまらないことでも話しかけてしまう。
ジェダイマスターとしてあるまじき行為。
ジェダイマスターとしても、人間としても未熟な自分であるが、
そんな行動を繰り返してしまうのは、
エキドナ。彼女に自分のことを考えてほしいと思うからだ。
…そう思ってしまうのは、傲慢だろうか。傲慢だろうな。
またオビワンは小さなため息をついた。
その時。