第12章 The Clone Wars.6
そしてエキドナは、あの後ナブーで3週間程過した後、タトゥーインへと向かった。
オビワンとの運命が変わった星へ。
到着した時、彼と眺め幻想的だと笑った街の明かりを頼りに降り立つと、腹を満たしに近くのダイニングバーへ入った。
ジェダイの食べ飽きた食事と違い、各星の美味しい食べ物から自分の身体が受け付けない食べ物まであり、それが任務先でのエキドナの楽しみであったエキドナは、不意に今自分が任務できているわけではないことに違和感を感じた。
「…!美味しい。」
タトゥーインということもあり、基本的に食事がジャンキーであるが、美味しさに感動していると、空いていた隣に人が座った。
「お姉さん一人?」
「えぇ?はい。どうかなさいましたか?」
「いいえ、お姉さんがとても綺麗で。」
人間の男性はそう言って(名前)に近寄ってくる。
エキドナは心の中で面倒だと思いながら彼の相手をしていると、なんだかジェダイということを知らない人と話すのが生まれて初めてで、楽しくなっては話しに乗った。
彼は紆余曲折あり、ガラクタ集めで生計を立てているシアという名前の男らしい。
エキドナの設定は賞金稼ぎの端くれで、出身は秘密。なんだかそんな人生もあったのではないかとエキドナはうきうきした。
「賞金稼ぎにはもったいない女性だ。貴方と喋っているとこう…とても楽しい気分になる。」
「ありがとうございます。私も息抜きになりました。」
「このあともう一軒どうです?信頼の証に。」
「あー…、いいえ。今日は失礼します。また見かけたら声をかけてください。あと2日ほどここに滞在しますから。」
「そうですよね、貴方の時間を邪魔してしまって申し訳なかったです。」
シアは申し訳なさそうにそういうので、エキドナまで申し訳なくなり、ぺこぺこと頭を下げた。
エキドナの食べた食事の代金までもを彼が払おうとするので、ガラクタ集めで生計を立てている人なんかに奢ってもらうことなどできずに断ると、自分で会計を済ませて外に出た。
いつもより酒を飲み、暖かくなった体を外の風で冷ます。
すると、次の瞬間、エキドナはなんだか知らない匂いに抱きしめられた。