第12章 The Clone Wars.6
ドーーーーーーンッ
と地面が割れるような音が、エキドナの負の感情を一瞬で消し飛ぶ。
長年で染みついた癖でライトセーバーを構え、腰をかがめて周囲を警戒すると、エキドナは音がしたほうへと歩いた。
「えっ…。」
そこにはエキドナら(特にアナキン)がするように不時着してぐしゃぐしゃになった一般船が、煙を上げている。
勿論傍観するわけもなく、エキドナは中に乗っている人を助けるべく駆け寄った。
「大丈夫ですか?」
「た、たすけて…。」
小さな一般船の中には、青年くらいの男の子が乗っていて、セーフティーが働いたようで傷はないが驚きと恐怖で動けなくなっていたようだった。
エキドナが、すぐにへこんだ機体の中に入り助け出すと、人間の青年が震えてエキドナに感謝を述べる。
「怪我は?」
「大丈夫です。おねぇさん、ありがとう。」
エキドナは、初めておねぇさんと言われ、驚きながらも少年を摩る。
エキドナは決して身を隠しておらず、ジェダイの格好をしているのに「ジェダイ」と呼ばれなかったことに疑問を浮かべた。
「どこの惑星から来たの?」
「ラクサス。ここの星はどこ?」
「まじか。」
ラクサスは青々とした自然が生い茂るアウター・リム・テリトリーの惑星である。
そして、独立星系連合の首都として機能している星である。
「ここは、ナブー。共和国の惑星。」
「う、うそだ…。」
「どうしてこんなところに?名前は?」
「僕はグレイ。母さんに縛られてばっかりが嫌で家出してきたんだ。」
「この船は?」
「母さんの。でもハイパースペースを起動したら壊れちゃって…でもここ共和国だよね。マズいよね。」
「うん。とってもマズい。」
グレイは怪我はしていないようで、エキドナが渡した水を飲み干すとどうしようかとおどおどしている。グレイ本人も分かっているようにマズい。
星の許可なく他勢力の星に行くのは、大きな星交問題に発展するからだ。
「先ほどの船だ!」
そう固まっているうちに、警備隊が黒い煙を上げて落ちてきた船を捜して寄ってくる。
「おねぇさんどうしよう。」
「大丈夫。任せて。」