第12章 The Clone Wars.6
「エキドナとかさ、常に任務に追われてて、屈指のジェダイマスターって言われてて。
そんな人は私みたいに煩悩の塊みたいな悩みは持ってないと思ってたの。
悩み何てないんだろうなって、私はさ、好きな人いるけれど別に罪悪感何て抱かないもん。
そういう感情は、エキドナだって持ってていいと思う。だって女の子だもん!エキドナは女性である前にジェダイって言うけれど、私はジェダイである前に女性であると思うの。
マスターケノービの事大好きだから嫉妬するのは仕方ないじゃん?
おそらくマスターケノービは無自覚だろうけど、嫌だったものは嫌だったし、それによってエキドナがその女侯爵にフォースを使って復讐しようなんて考えてないんだから、ジェダイとして失格なんてこともないと思う。
こんな考えだから昇進できないんだろうけどね。あはは、」
そう笑う彼女は、エキドナの人間らしさに触れられてうれしい様子だった。
「そっか…。」
「エキドナは銀河にとって必要な人だと思う。でも、今くらい少し休んでいいんじゃないかな?」
「パティア……。」
どうしてこう心の綺麗な女性が評価されないのか。エキドナは我慢していた涙をぽろぽろと流すと、何となくすっきりして笑った。
パティアを見ていて、出世道を外れたジェダイの悲惨な状態は見てきたが、彼女はジェダイ聖堂を去るべき人間ではない。必要な人間だと、そう思った。
彼女は自分を無価値だと卑下するが、彼女のような心の持ち主は必要だとフォースが伝えていた。
「はい、貸して。発信器。」
「発信器?」
「預かっとく。評議会にも伝えておく。だから何にも縛られずに自分を見つめなおして。」
「でもそんなことしたらパティアが怒られるよ。」
「私は怒られ慣れてる。知ってるでしょう?エキドナなら絶対帰ってくるって知ってるから。」
「パティア……ありがとう、」
泣きながらぎゅっと抱き着くと、パティアはそんなエキドナの頭を撫でる。
心底友達がいてよかったと、彼女に救われた瞬間だった。
それからパティアはフラフラと下手な運転でスピーダーでコルサントへ帰っていった。
それを見送ったエキドナは近くにあった森へ向かうと、そこで自分を見つめなおすことを始めた。