第12章 The Clone Wars.6
「いいえ、なにもございませんマスターヨーダ。」
ヨーダの疑いの目は、否認しても逸れない。
「お主はどうしたいんじゃ?」
「…できることなら、ひと月だけ、聖堂から離れたいです。」
「うーむ。お主のフォースは迷路を彷徨って居る。」
「自分を。……見つめ直したいのです。」
この言葉は本心だった。
自分がなんなのか、まったくわからなくなっている。
その本心はヨーダを納得させたようで、ヨーダは唸りながらうなづいた。
「よかろう。アイヴァーン、時間を与えよう。」
「ありがとうございます。マスターヨーダ。」
「アイヴァーン。お前には秀でた才能がある。それでいて謙虚であり評議会は評議員へ推薦する者も多く居る。それだけは忘れるな。」
ウィンドゥはいつもの仏頂面で、エキドナにそう伝える。
「嬉しいお言葉です。ありがとうございます。」
ウィンドゥにそう言われたことが嬉しくて、エキドナは声を詰まらせながらもお礼を言う。
あんなに厳しい彼が、しっかりと自分を見てくれていたことにどこか安心感を抱いた。
「ファイター一台を使い、エキドナ、お前さんの心とフォースに向き合うのじゃ。お主であれば暗黒面に堕ちることはなかろう。」
ヨーダに背中を押されるように杖でつつかれると、エキドナは一礼をして評議室を出ていった。
つい一週間前までこんなことになるなんて思ってもおらず、なんだか不思議な気持ちで聖堂を歩いた。