第12章 The Clone Wars.6
「貴方から強い不安を感じます。守りは万全のはず。」
「分かってる。」
「ではどうして。」
「ちょっと訳ありでな。」
「彼女の事を"ご存知"で?」
「知り合いだよ。……昔の事だ。」
この会話でアナキンの表情がガラッと変わる。このオビワンとエキドナの喧嘩の理由が明確になったからだ。
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「はぁ…。」
一方エキドナ。
部屋に閉じこもったものの、これではまた任務放棄になってしまう。
気が進まないが、任務だけは全うすべきだと思うエキドナは自分なりに船の警護をすることにした。
気の重いまま、船の中を一つ一つ部屋を開けて異常がないかチェックしていく。
そして一つ下の階に降りて部屋に入ろうとすると、"彼ら"の話声が聞こえてきた。
「そこがだよ。ジェダイとしての義務が私を困らせた。」
「義務ですか。」
どうやら彼ら、オビワンとアナキンはサティーンの話をしている様だった。
聞いてはいけないとわかっていながらも、聞いていても傷つくだけだと分かっていても、エキドナは壁に沿って聞き耳を立てた。
「…でも、彼女が好きだったんでしょう?とどまることだって……。」
「あり得たかもしれない。だがジェダイの掟がある。」
「分かっています。マスターヨーダの言うジェダイは情に縛られてはならない。」
「あぁ、しかし心の痛みをどう癒すかは教えてくれなかった。」
オビワンから出るとは思わなかった言葉の数々に、落ち着きかけていたエキドナの体は震える。
息すら吸えずに、その先を聞くのが怖くてエキドナはその場を後にした。
しかし、彼らの会話は続く。