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陽の沈む夜に。

第12章 The Clone Wars.6



だからこそ余計に、すっかり自分の背を追い越して大人になったアナキンの優しく慰める手に、感情のダムが崩れ落ちる。
半ば身体も共に崩れ落ちながら、それを支えるアナキンに彼と出あって初めて目の前で涙を流した。

「何をしているんだ。公私混同もいいところだな。共和国に忠誠を誓ったことを忘れたのか。」

「マスターあんまりですよ!」

あまりに遅いと感じたオビワンが戻ってきては、そんな2人の様子に船の乗り口から声を荒げる。

「お前たちは悪いところが酷いくらいに似ているな。公私混同して任務を放棄した結果がこれだ。生還できたからまだ良いにしても、ジェダイが自分の感情に左右されて逃げた結果、サティーンを危険な目にあわせてしまった。分からないのか?」

オビワンの怒鳴る声に、エキドナは耳を塞ぎたかった。
しかし、このまま泣いていても仕方がない。一度目を閉じると、エキドナは決心したようにオビワンの目の前まで歩いていく。

「マスター?」

アナキンは、何が起きるかわからない。ただただ嫌なフォースだけが漂うこの空間に身震いがしそうだった。

「?」

オビワンの隣を、エキドナ独特の彼が大好きな香りが風と共に通り過ぎていく。
何も言われることもなく、ただ通り過ぎる冷たい風が彼のほほを掠める。
こちらに来てからドレスローブを着ていたエキドナ。可愛いと一言いいたかった彼は、言うどころか言える関係でもなくなってしまった。
その状況が彼自身も苦しくて、怒りで握りしめていた拳は順に悲しみを耐えるための拳へ変わっていった。

そんなことがありながらも、何とかオビワンが離陸の合図をすると、船はコルサントへ向かう。
マンダロアが分離主義勢力に堕ちたことを説明する義務がサティーンにはあるからだ。

離陸してすぐ、部屋に閉じこもってしまったエキドナはそのままにして、アナキンとオビワンはクローンに指示を終えて公爵の待つ部屋へと向かっていた。
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