第12章 The Clone Wars.6
30分。どぎまぎしながら到着したマンダロア。
オビワンのシグナルが出ている方へと向かうと、サティーンとボロボロになって歩いているオビワンを見つけた。
「オビワン。」
白い服を真っ黒に汚してサティーンと支え合っているオビワンに、エキドナは思わず名前を呼んで駆け寄る。
「オビワン!」
時を同じくして、彼らの愛弟子アナキンも到着したようだ。
アナキンはレックス達を率いて安全確保にサティーンの護送を始める。
「ごめんなさい、私が離れたばっかりに…。」
「あぁ、言い訳は聞きたくない。」
こんなことにと言葉をつづけようとするが、オビワンの怒りを含ませた声でかき消される。
おそらくエキドナの嫉妬を悟った、もしくはサティーンに入れ知恵されたのだろう。
こんな状態である元師匠の2人に、アナキンは目を真ん丸をして驚くのと共にエキドナの様子の違う理由を察した。
「落ち着いて、2人とも。まずは任務が優先だ。」
アナキンが知る限り、初めて喧嘩をした2人。
呆れるほどに仲のいい2人がこのようになってしまっている。
しかもオビワンの怒りの矛先が自分ではなくエキドナということにアナキンでさえどうしたら良いかわからなくなった。
怒りを露わに船に乗るオビワンの背中をアナキンとエキドナが見送る。
いつも気丈で、悲しそうにするエキドナを初めてみたアナキンは、背中を摩った。
「どうしたんですか2人とも。」
「ごめんねアナキン巻き込んで。私この数か月でおかしくなっちゃったみたい。」
「そんなマスター…。そんな顔をするなんて貴女らしくない。」
「おかしくなっちゃったからね。ごめん、本当に。」
悲しそうなエキドナの腕をとってアナキンが自分のコムリンクとリンクさせると、また背中を摩る。
どうにか立ち直らせようとするアナキンの手が、エキドナの目頭を熱くする。
カミーノに滞在してからエキドナは孤独だったのだ。
やっと解放される孤独に期待をはせたところ、ジェダイとしたことが嫉妬の泥沼にはまってしまう。
燃える嫉妬心と、そんな心を抱く自分への嫌悪感。吐き気がするほどエキドナに孤独という文字が突き刺さっていた。