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陽の沈む夜に。

第12章 The Clone Wars.6



…それからエキドナはなんとなく城を巡回した。
いつ敵が潜入しているかもわからない。サティーンのそばにつくことを拒否されてしまった今、エキドナができることはこれしかなかった。

しかし、その行動はエキドナをまたもや奈落の底へ突き落す。

「こんなに綺麗なお庭があるなんて…。」

二階のテラスを通りかかったとき、エキドナはテラスから覗かせる美しい庭に目を奪われて乗り出す。
温かく夕日が花々や噴水を照らし、きらきらと輝いていた。

「しかし、貴方は大人びました。」

エキドナがそんな庭に見惚れていると、嫌な女の声が聞こえてくる。

「サティーンに言われるのは、恐れ多いよ。」

そして嫌な男の声も聞こえる。
ちょうど真下にいるエキドナの悩みの種は少しずつオビワンのエスコートによってエキドナのいるバルコニーから姿を現す。

「オビワン貴方、お髭が顔を隠していてせっかくのハンサムな顔がよく見えないわ。」

「髭?気に入ってるんだが……。」

そう言って髭を触るオビワンの手に、重ねるようにサティーンは手を添え、もう一つの手はオビワンの頬を包む。
エキドナはその一瞬一瞬が目を離せず、逃げることもできず、息もできなかった。

「やめて。」

吐息に乗せるような、小さな声で、震えるようにエキドナはつぶやく。
しかし、エキドナに気づいてさえいない彼女は、やめるわけも、エキドナの声が聞こえるわけもない。
エキドナは、どうにかなってしまいそうで、その場を離れ自分の乗ってきたファイターへと足早に向かう。

頭の中を埋め尽くすあの光景に支配され、気づけばR10がどうしたの?というような様子でこちらを見ていた。

「R10少し散歩しよ。」

エキドナはそう言うと、オビワンへコムリンクを繋ぐ。

「少しマンダロアを離れます。大丈夫ですか?」

「あぁ、良いがエキドナ。さっきからどうしたんだ。」

「ありがとうございます。現在聖堂で待機しているアナキンを代わりに行かせます。」

一方的にエキドナはコムリンクを切る。
一度離れなければ、自分が自分じゃなくなりそうで、どうにかなってしまいそうで、怖かったのだ。
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